第26話

ベランダへ出て、お肉と野菜をせっせと焼いているお父さん達の元にみんな集まった。


「健人の父です」「かすみの父です」「かすみの母です」

と挨拶が始まる。


「初めまして、三浦柊也です。今日はよろしくお願いします」


「……えっ、三浦、柊也君?」


お父さんが驚きの目で会長を見ている。


「あっ、もしかして……」


お母さんも同様に驚いている。


「お父さんは、三浦信也?」


「はい、僕が七歳の時に亡くなりましたけど」


「――柊也君! 会いたかったよ」


手に持っていたトングを放り投げて、会長の手を握りしめるお父さん。


「まあ、こんなに大きくなって」


お母さんも近寄って涙ぐんでいる。


「お父さんもお母さんも、会長のこと知ってるの?」


「ああ、柊也君のお父さんとは大学時代の友人なんだ。同じ法学部で弁護士を目指した仲でね。かすみも小さい頃、会ったことあるんだよ」


「本当っ!?」

全く覚えてないよ。

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