事の始まりは、物置の国梱包されていたアンドロイド「ひまり」が見つかったこと。社会問題にまで発展したひまりの機種は一世代限りで製造が中止され、ひまりは貴重な稼働可能な機種としてオークションへ。オークションでひまりを手に入れた研究者は、ひまりに違和感を覚え・・・出だしはSFですが、途中からミステリに切り替わっていきます。ひまりにどんな秘密があるのか、それが気になってつい読み進めてしまう、そんなお話でした。
AIアンドロイド「ひまり」停止の謎を追い、再起動するまでの科学者たちの話。話数にしては登場人物がやや多めなのと、外交官が絡む必要があったのかは分かりませんが、AIアンドロイドの再起動に係るまでの手法の試行錯誤と、科学者たちの信頼関係に加え、結末がよかったと思います。あと、「アンドロイド自身を主人公にしていない」というのも、私が読んだ作品の中では、新規性があっておもしろかったです。2時間ものの映画にちょうどよい感じの収まり感が秀逸でした。