第3話

私と滋と美夜は顔を見合わせて笑い合うと、お母さんが立ち上がって、


「じゃ、ばぁばとお散歩しよっか?お姉ちゃんに近いとこまで」


と言って大地の小さな手を繋いだ。大地は瞳をキラキラさせて、


「すゆ!おさんぽー」


と言って膝をカクカクと曲げて喜んだ。これ、喜びのポーズらしい。


「おぉ。大地。頑張っていってこーい」


お父さんもすっかり孫にデレデレするおじいちゃんだ。前はあんなに冷たい雰囲気だったのに。最近はものすごく甘々な顔になる。


「美夜、体調はどう?つわりは落ち着いたんでしょ?」


「うん。でも、つわりはキツかった…。死にたくなるくらいよ。今は落ち着いたし、疲れやすくて眠いけど、食欲も凄くあるし、もう大丈夫よ」


そう。いま、美夜は妊娠中。やっと、念願の赤ちゃんだ。結婚して5年だし。そろそろだなぁと思ってた。とりあえず安定期に入ってくれれば、あとはゆったり過ごしていって欲しい。


「楽しみだね」


「怖いよぉ。出産のこと考えると、怖い。痛いんでしょ?!よく2人も産んだよね、ゆきねぇ」


美夜が自分の腕をグッと掴むと、滋も隣でウンウンと頷いている。


「鼻からスイカとか聞くよな」


「やめてよ!馬鹿ぁ!!」  


美夜が滋を睨んで言うと、お父さんはそんな美夜を見て、


「そんな戯言に惑わされるな。大丈夫だよ。安心して、その時を待ちなさい。母親になるんだから」


と冷静に言うと、私は思わずお父さんを見て感心した。


「お父さん。カッコいい!」


「えっ?そうか?!」

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