第6話
「付き合いたいのかなあ」
「お前だって曖昧じゃねーか」
曖昧っていうか、別に告白されてる立場でもないし。私の場合あくまで願望の話じゃない?
「分からないんだよね。相手を好きでいる間は自分を好きでいられるっていうか。自分のこと見てもらうためならなんでもしそうな自分。みなぎるパワー!」
「相変わらず病んでんのか、それとも馬鹿?」
「わあヒドイ。バカじゃないし」
今更ながらにソファーに座りなおして、一口飲んで苦かった缶コーヒーを再び口にする。
「にがい……」
「絶対馬鹿。ウマシカ」
「はいはい、もうそれでいいよ。ロウと付き合ったらめんどくさそう」
「はー、なんでお前はそういうこと言うかなー」
「……」
違う。
言いたかったことはそうじゃない。
なんか、いやだな。
ロウの家に私もう居られなくなるのかな。家賃とか光熱費とか半分出して一緒に住んでるのに、やっぱ邪魔になるよねー。
……ね。
ネガティブ。ね。
「ごめん、」
「急になんだよ怖えよ」
「あんたがウマシカだよばーか!」
「は!? 情緒どうなってんのお前!?」
どうなってんだ本当。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます