第22話

「大好きだから大切だから、隣にいることはできなくても、でもずっと見てたい。これからどんどん可愛くなっていく茅子ちゃんのこと。大人になってく茅子ちゃんのこと。」


「…うん。」


「本当は、好きな人ができたら俺に遠慮しないでって言おうと思ってたんだけど……ごめん。」


「いいよ。」


「…俺以外好きにならないで。ずっと俺のこと好きでいて。」


「……馬鹿だなぁ。」


「……俺のこと、忘れないで…。」




“忘れないで”



――――やっぱり貴方だったんだね、寂しがり屋のあたしの唯一の人。



「馬鹿な湊。」


「ひどいなぁ。俺本気で言ってるのに。」


「……あたしが、忘れるわけないでしょ?湊のことどれぐらい好きだと思ってるの?ずっと…湊だけだよ。」


「…うん、愛してる。」


お互い涙でぐちゃぐちゃになった酷い顔を見て笑った。

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