第21話
「…俺だってずっとこのままでいたいよ。ずっと、茅子ちゃんの隣でいたい。茅子ちゃんの隣でいるのは俺じゃないとやだ。俺だって、あっちでずっと一人は寂しいよ。」
「このまま…、いちゃ、だめ、なの…っ?」
「…あんま、可愛いこと言わないで。」
嗚咽混じりで、しゃくりあげるにあたしに湊は苦笑する。
「でも本当言うと、このまま茅子ちゃんのこと連れて行こうと思ってた。記憶がないのをいいことにさ。
これから気持ちも変わっていって、俺のことなんて忘れて俺以外の誰かに笑いかける茅子ちゃんなんて見たくなかったから。でも、」
言葉の途中、揺れる瞳で湊はあたしを真っ直ぐに見る。
「…やっぱり生きててほしい。愛してるから。」
ーーーーあぁ、あたしも湊に愛されているんだ。
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