三章 浮気性の彼がよくわからない

第55話

「…ね、ねむ…」



翌朝。5時半

田端くんの弁当を作るために私はいつもより1時間早く起きたわけだが



「…………早く起きすぎた」



眠気に襲われ、今にも眠りについてしまいそうだ。

だがここで寝たら絶対に間に合わない。頬を叩いて無理矢理意識を覚醒させると料理に取り掛かる。


野菜炒めを作るために野菜を刻む。

トントントントンと心地よいリズムにまぶたが重くなっていく。



「い"った?!?!」



直後指に痛みを感じ悲鳴を上げる。

見れば指先から血が溢れていた。切ってしまったらしい。

いつもはしないミスに、しっかりしろ私と気持ちを持ち直す。



「……いい匂い」



ハンバーグを焼く。ジュージューと焼けた肉のいい匂いがしてお腹が空いてくる。



「って、痛い!!」



油がはねたようで腕に痛みが走った。



「……私、ドジっ子キャラじゃないのに、なにやってんの…」



水道水を掛けて腕を冷やしつつため息を吐き出す。

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