第44話
「テストなんて滅んじゃえばいいのに!」
「滅ばないから」
現在時刻は昼休み
夏樹はお弁当を隅に置いて、机に項垂れた。
「余裕ぶっちゃって。アンタだって勉強対して得意じゃないくせに。知ってるんだから!去年英語の赤点、ギリギリだったの!」
「……私、将来日本から一歩も出る気ないし」
「グローバル社会が進んでるんだから、日本に閉じこもってても英語には触れるわよ。絶対」
「英語なんて滅べ」
「滅ばないわよ」
歯噛みして顔を歪める私を諫める夏樹
私は弁当を開き、いつも通り、夏樹と昼食を取ろうとした。
「品川さん。いる?」
だが、その日はいつもと少し違った。
「え、田端くん?!」
教室に現れた田端くんによって。
驚いて立ち上がると田端くんは「あ、いた」と私を見て笑みを浮かべると教室に入って来る。
いつも、昼休みどころか放課後も、突然教室にくることなんて今までなかった。
「な、なんでここに」
「ホントは放課後に話そうかと思ったんだけど、なんか考えてたら会いたくなっちゃって…迷惑だったかな?」
少し困ったように笑みを浮かべながらこちらをみる田端君に、ムズがずいような、何とも言えない感情が湧いて来る。
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