第39話

「……」



気づけば私は教室にいた。

どうやって戻ってきたのかはよく覚えていない。



「……ぇ?」



次いで口から洩れたのは困惑


いやだって。え?

田端くんが浮気してた?あれ絶対田端くんだよね?他の女の子とそういうことやってたよね?


一度考えだすと止まらなくなって、脳みその中がグルグル色々なことで飛び交ってめぐる。意味が分からなかった。



「品川さん」



最後に会った田端くんの声が耳の奥で響く。


優しい声、優しい笑顔


だが最近ちゃんとあっていない。その矢先に彼が女の子とエッチなことをしていた。


自然消滅…という言葉が脳裏をよぎるが、昨日の晩に彼としていたメッセージはいつも通りだ。

自然消滅したなら、こんなメッセージ送っては来ないだろうし、なにかしら一言あるはずだ。なのにない。

本当にいつも通りの雑談だ。



「……う、わき…?」



残された答えは、浮気。それくらいしかなかった。



「わっ!?」



ぴろんっとメッセージが送られてきて肩が跳ねる。

見れば新しいメッセージが港から送られてきていて、そこには一言




【今日、一緒に帰りませんか】というお誘いだった。

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