第38話

「あっ、はぁ、っ……あッ」



こ、これは…そういうアレなのでは??


だらだらと途端に冷や汗と羞恥心が同時に湧いてたまらなくなる。

これは不味い。バレないうちに退散した方がいい。


そう思って静かに踵を反そうとして



「きもち、っ、みなと、く…っ」


「……ぇ???」



ぴたっと足が止まった。くるっと顔だけ振り返る。


本当は今すぐ立ち去った方がいいのだろう。

だが、私は真実を確かめることを選んだ。


一歩、一歩、また階段下に近付く。

そうしてそっと暗闇を覗き込んだ。



「!」



そこにいたのは、黒い髪の女の子と、よく知っている男の子の顔…田端くんだった。

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