第22話

「話が合って、荷物とったら、校舎裏に来て欲しい…です」


「?、わかった」



特に用事もない為私は教室で鞄を取るとそのまま校舎裏に行く。

校舎裏には彼一人が立っていて、どことなくそわそわとしていた。

声をかけると彼はばっと振り返る。



「あの、急に呼び止めてごめんね。俺、君に…って、ごめん!そもそも俺のことわかる?」


「……わかんないです」


「あ、そうだよね!ごめん!俺、田端たばたみなとっていって。隣のクラスで…えと…あの……」



緊張したように目をうろうろさせる彼に私は首を傾げる。

すると彼は意を決したように私を見てばっと頭を下げた。



「おっ、俺と付き合ってください!」



恋愛バラエティにありがちな、手を差し出して告白してくる彼に目を白黒させた。



「……本気、ですか?」


「ほ、ほんき!です!」


「私のこと好きなんですか…?」


「っ、はい」



え、なんで???


関わったこともないし、クラスでも全然目立たない私に告白なんて罰ゲームか?と疑うが真っ赤な顔でこくこくと頷く彼の姿は到底嘘には見えず困惑する。

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