第21話

『睦月!むーつーき!!かっこいい子いた!?』


『さぁ?』



それは入学して、初めての登校日のこと。

面くいな夏樹にかっこいい男の子を見つけたら教えて欲しい、という謎の頼みごとをされていた私だったが、興味がなかったので無視していた。


私に頼んでおきながら私の性格を重々理解している彼女は、私の返答に憤慨ふんがいした様子もなく『アタシは見つけたわよ!』と胸を張った。

そうして窓から身を乗り出すと、登校してきた生徒たちを指さして説明し始めたのだ。



『あの子もかっこいいのよ!

なんか正統派イケメンって感じだけど、どこかミステリアスで目元の黒子が色っぽいの!』



そう。その時にみたんだ。

夏樹のイケメンリストの中に入っていた男の子


生憎私は、自分に関係のない事柄に微塵も興味を抱けない体質だった為

彼のことは夏樹からの情報くらいしかしらなかった。


名前も確か夏樹が言っていたが

その後も続くイケメンの説明によってうろ覚えだ。

当然関りなんてない。そんな彼が私に一体何のようなんだろうか。

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