第13話

ええい!繫いじゃえ!一応彼女だしいけるっしょ!


思い切ってぎゅっと手を両手で握ってみる。

女の子の手とは違い、やっぱりごつごつしている。あと思ったより手がデカかった。両手で握って漸く覆えるくらいの大きさだ。


おお、すごい。女子の手と全然違う。あったかい。



「ぁ、の…」



おお、と少し感動していると上ずったような声が降って来る。

顔を上げれば顔を真っ赤にして固まっている田端くんがいた。

顔だけではない。耳や首まで真っ赤だ。


あれ、思った反応と違う。


てっきり女の子と手を握るなんてどうってことなさそうなのに、口元を押さえてふるふると固まっている彼は初心な男の子、という言葉がよく似合う。



「な、なんで…手」


「いや?」


「ちがッ!ぃ、やじゃないんだけど…!」


「けど?」


「……汗、が」


「あせ…」


「汚いから…」



尻すぼみになりながら言われた言葉にきょとんとして私はじっと手を見る。


汗なんて書いていないすべすべした肌だ。

大体、冬でもない限り肌と肌を接触させていれば汗が出てしまうのは仕方がないことだと思うから気にしない。

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