パート7: 反撃と主導権奪取
(見える、見えるぞ!)
さっきまでとは大違いだ。
ダガー使いが繰り出す突きや斬撃の軌道が、はっきりと予測できる!
シュバッ!
顔面を狙ってきたダガーを、最小限の動きで身をかわして避ける!
そのまま流れるように、カウンター気味にサーベルを振るう!
「!?」
ダガー使いが驚いて飛び退く。
その腕には、また新たな切り傷が増えていた。
(いいぞ! この速さなら、翻弄できる!)
「チィッ! 小賢しい!」
ダガー使いが悪態をつきながら、さらに速度を上げて連続攻撃を仕掛けてくる!
だが、もう遅い!
(【パリィ】!)
キン! キン! カン!
連続で繰り出されるダガーを、サーベルと盾で面白いように弾き、受け流す!
敏捷が上がったおかげで、【パリィ】のタイミングも完璧に合わせられる!
「なっ…!?」
ダガー使いの動きが、明らかに乱れてきている。
自分の攻撃が全く当たらないことに、焦りを感じているのだろう。
そこへ、ショートソードの男が割り込んできた!
(来るか!)
横薙ぎの一閃!
だが、これも俺には見えていた!
俺はバックステップで攻撃範囲から逃れると同時に、ショートソードの男の足元へサーベルを走らせる!
「! うおっ!?」
男は慌てて飛び退き、体勢を崩した。
(よし! 連携が崩れた!)
ダガー使いとショートソード使い、二人の間に明確な隙が生まれた!
好機だ!
(狙うは、動きの速いダガー使いの方だ!)
俺は体勢を崩したショートソード使いには目もくれず、ダガー使いに向かって一気に距離を詰める!
「しまっ…!」
ダガー使いが反応するよりも速く!
(喰らえ!)
『疾風のサーベル』が閃光を描く!
狙いは、がら空きになった胴体!
ザシュッ!!
「ぐ…ぁっ…!」
今度こそ、確かな手応え!
浅くはない一撃が、ダガー使いの脇腹を切り裂いた!
ダガー使いは苦悶の声を漏らし、その場に膝をつく!
持っていたダガーが、カランと音を立てて地面に落ちた。
(やった! まず一人!)
いや、まだ完全に戦闘不能になったわけじゃないだろうが、大きなダメージを与えたのは間違いない!
「貴様!」
ショートソードの男が、怒りの声を上げて斬りかかってくる!
だが、もう一対一だ!
しかも相手は、相棒がやられたことで冷静さを欠いている!
(さっきまでの余裕は、もうお前らにはない!)
俺は笑みを浮かべそうになるのをこらえ、ショートソードの男に向き直る。
盾を構え、サーベルの切っ先を向ける。
(かかってこいよ。今度は、俺が主導権を握る番だ)
風向きは、完全に変わった。
俺は確かな自信と共に、最後の一人との決着に臨む!
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