作品4:『自分、みいつけた』 大田康湖・著

抽選日時:4月16日 0時

応募総数:28作品

有効応募数:12作品


作品タイトル:自分、みいつけた

著者:大田康湖

https://kakuyomu.jp/works/1177354054898625757


全9話 完結作品

21016文字

ジャンル:SF



 冒頭、一点注意しておきます。この作品を読む前に、小説概要欄を見てはいけません。とんでもないネタバレを喰らいますw


 この作品を一言で表すなら、一風変わった記憶喪失と恋の物語です。作品ジャンルがSFになっていますが、科学的サイエンスな部分は見られません。作品全体、恋愛の要素が強いので恋愛か、でなければミステリーか現代ドラマ、一昔前の昭和を描いた時代小説といった辺りでしょうか。

 物語は友達との交換ノートの文面から始まります。この交換ノートは、ほぼ全話の冒頭、及び大半の末文に使われており、三人称視点で描かれる物語の中で、「セリフ」以外の登場人物の心理描写に利用され、上手いなと思いました。最初の交換ノートも恋バナです。

 主人公の関本定子ダッコが帰宅中、河原で倒れている記憶喪失の青年を発見。喫茶店を営む両親の元へ連れて行きます。警察に連絡しても捜索願は出ておらず、当面の間、青年は喫茶店の手伝いをしながら同じ家で暮らす事になります。青年が所持していた緑のガラス石は何なのか、失われた記憶は――といった物語です。


 起承転結や文章の基本的な部分、それにストーリーもしっかりしていて、とても読み易い作品です。実はこの作品、(感想文企画とは関係なく)以前にも読んでいて、今回で読むのが2回目でした。かなり前からフォロー/フォロワーになっている方の小説で、だからといって特別扱いはしておりません。抽選や感想などの「不正はない」という点は、自分より作者様の名誉のために断言しておきます。

 前回は小説本文だけでしたが、今回は後書き欄まで拝読し、そこで初めて知ったのが、これを執筆したのは中学生の頃だそうです。その年齢でこれだけ基本に忠実な文章が書けるというのは、相当の文学少女だったのかなと感じます。中学生時代の、又は現在の自分自身と比較してどうだろう、と考えてみて下さい。二十歳前の武藤には描けなかったと思います。妙に堅苦しい文章だったり、ねじ曲がったストーリー構成「ではない」のは、素直な子供時代の作品だからでしょう。大人にも子供にもお勧めし易い、すっと読めて抵抗なく受け入れられる小説だと思います。

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