第2回募集

作品5:『天使とお尋ねもの』 空峯千代・著

抽選日時:6月16日 7時

応募総数:22作品

有効応募数:18作品

優先応募作品:☆0…4作品

※今回は優先枠です。抽選日時点で☆0だった作品が4作品ありましたので、この中から抽選で3作品を拝読し、うち1作品を選ばせて頂きました。


作品タイトル:天使とお尋ねもの

著者:空峯千代

https://kakuyomu.jp/works/16818622175329039644


全4話 完結作品

7791文字

ジャンル:現代ドラマ


 この作品を一言で表すなら、余命僅かな人と遺される人とが織り成す人間ドラマです。

 物語は主人公の誠二が、死の淵にいる父親の病室にお見舞いに行き、そこで一人の天使に出会う場面から始まります。天使。これは本物の天使ではありません。天使かと見紛う無垢な少女です。そして天使とは正反対に、父親は極道の世界で汚れ切ったヤクザの組長です。

 カタギの人々から金を巻き上げてきた瀕死の男と、それを忌み嫌う息子の誠二、そして何も知らない純真な少女の間で、どんな物語が紡がれるのか――といった作品です。


 まず自分が最も重視する起承転結、特に結末部分についてネタバレのない範囲で言うと、最後がやや弱い気がしました。きちんと結びになっていない、中途半端な終わり方になってしまっています。何も問題は解決せず、投げっ放しの印象です。しかも、この物語の結末からは、(爽やかさを装っていますが)最悪の未来しか想像出来ません。

 また、この辺は設定の甘さと言いますか、リアリティの欠如にも関わるのですが、「少女が何故一人で?」「両親はどこに?」「周囲に誰もいないの?」といった部分や、物語序盤から終盤にかけて度々出てくる『メロンパン』が(ずっと何か意味があるものと思って読んでいましたが)特に何もなく終わってしまい、モヤモヤ感を残してしまっています。これだけ重要アイテムであるかのように描いたのであれば、そこに何かしらの意味を持たせるなど、もっと上手く活かせたのではないでしょうか。この辺りが非常に残念に感じました。

 基本的には、主人公(と少女)の反抗期的な、何もかもが嫌になって逃げたくなる心理状態を描いたのかな、という作品で、多くの方が共感出来る部分はあると思います。ただ、それだけで終わらせるのではなく、主人公視点で描かれる中でも、もう少し少女の口から明確に語らせたり、上手く深堀り出来たなら、共感性の面がより高まるのではないでしょうか。

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