第32話 オーク退治の続き
俺がスキルのことについて2人に打ち明けた翌日。
俺達3人はクエストに出かけていた。
ちなみに胸当てはきちんともらった後でクエストに来ている。
ここ数日間、アイナとラティカにかかりきりで、クエストをさぼりすぎていた。
気が抜けていたと思う。
ギルドに顔を出すと、受付嬢のミリアさんから
「あ、女にかまけてクエストに行かなくなった人だ。いるんですよねえ、ちょっと稼ぐようになって女遊びを覚えた途端にダメになっちゃう人」
という嫌味を言われてしまったほどだ。
正論だったのでまったく反論できなかった。
さすがに反省したから、俺達はクエストに行くことに。
クエストの内容は、オーク3体の討伐。
ラティカと出会った日に俺たちが受注していたクエストだ。
アイナの初クエストだったし、まずはそれを完遂することにした。
というわけで、今日はオーク退治である。
一昨日に1体のオークを倒したので、今日倒すのは2体だ。
『マップ』を使って2体のオークをみつけ、それを倒すだけの簡単なお仕事である。
「見つけた。さすが主殿のスキルだ。本当にいたぞ」
『マップ』に従って歩くうちに、ラティカがオークを発見。
ちょうど2体で行動していた。
「いきます」
アイナが剣を手に取り駆けだす。
オークの下に一瞬でたどり着いたアイナは、オークが反応するよりも先に剣を一閃。
一昨日と同じように、オークの首を斬り瞬殺した。
その後、もう1体もすぐに首を斬る。
2体を立て続けて危なげなく殺した。
これはもう、オーク程度では歯が立たないだろう。
「おお。鮮やかだな」
ラティカもそう感心している。
「アイナ殿のスキルは『剣姫』だったか」
「うん。希少なBランクのスキルで、剣士系のスキルでも上位なんだってさ
「なるほど確かに。上位と言われても納得の動きだ。我がこれまで見た剣士の中でも、あれほど動きのいい者は数えるくらいだ」
「さすがうちのアイナはすごいな」
ラティカは封印される前の数百年を外の世界で過ごしている。
そんな彼女が認めるくらいなのだ。
確かに良い動きだろう。
「でも逆に言うと、アイナと同じくらいの動きの人もいたってことだよね」
「まあな。Bランクの戦闘系スキルは希少ではあるが、歴史上で皆無というわけではない。アイナ殿の他にもいた。それに、アイナ殿のスキルよりも上位のAランクのスキルを持つ者もいるからな」
「Aランクのスキルの保持者ね。そいつとは戦ったのか?」
「いや。そんなものと戦うのは面倒だからな。すぐに飛んで逃げた」
「逃げられるもんなんだね」
「剣士相手ならば余裕だな。飛べば向こうは攻撃できなくなって諦めて立ち去る。魔術師でも、上空を飛ぶ我に攻撃を当てられるほど強力な者はいなかった」
なるほど。
たしかに上空に逃げれば簡単に逃げられるし、相手は手出しできないだろう。
魔術師ならば遠距離攻撃できるとはいえ、上空の相手を狙うのは難しいだろうな。
地上から空の敵を倒すのは至難の業だろう。
昔を思い出して、ラティカはため息をついた。
「はあ。まったく。我に戦いを挑む者が多くて迷惑していたくらいだ。我は空を飛んだり魔物を食べたりと平和に暮らしてたいだけというのに」
「ご主人様! 終わりましたー!」
話をしていると、アイナがこっちの方にかけてくる。
「おつかれ。クエストクリアだ」
「はい!」
アイナは俺の方に来るや、頭をこちらの方に差し出している。
撫でて欲しいのだろう。
「よーしよしよし」
お望み通り、思いっきり頭を撫でてあげた。
まったく可愛い奴め。
「ありがとうございます。ご主人様」
アイナを褒めてあげたあと、オークの死体を回収しにいく。
「主殿。少しいいか」
死体を『アイテムボックス』の中に入れた後、ラティカが俺に話しかける。
「どうしたの?」
「いやなに。そのオークの死体を、どこまでギルドに出すのか気になってな」
「そのままギルドに提出しようかと思ってたけど。素材が売れるからね」
魔物を倒せば、死体は素材として売れる。
素材となる部分が残っていればいるほど高く売れる。
オークの死体がそのまま残っているならば、それを売れば結構高値で売れるのだ。
俺も異世界に来てからの間、アイテムボックスを手に入れてからというものそうして大量の魔物の死体を持ち帰って金に換えて来た。
おかげで今結構金持ちです。
『アイテムボックス』がなくて、死体を持ち運ぶ手段に乏しい他の冒険者には出来ないことだ。
「全部か?」
「全部だよ」
「我の食料として残してほしいのだが構わないだろうか」
「これ食べるの? ああそういえば、魔物の肉を食べるって言ってたね」
「ああ。オークの肉は美味いからな」
「ならいいよ。討伐証明部位以外ならラティカが食べてくれ」
「感謝する」
オークの討伐証明部位は頭だ。
今回はアイナがすっぱりと首を斬ってくれたから、頭はそのまま『アイテムボックス』の中に入れればいい。
首から下はどうぞご自由に。
「どうやって食べる? いったんドラゴンに戻る? それなら服が破けないように回収するよ」
「いや、このままの姿で食べよう」
ラティカはオークに近づいて、がぶがぶと食べ始めた。
「すごい光景ですね……」
「ああ……」
そして、ラティカはオーク2体をペロリと食べつくしてしまった。
「いやおかしい。今のラティカの体積よりも食べたオークの体積の方が大きいんだが」
魔術とかドラゴンとかある世界で今さらなツッコミを俺はした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます