不安のフーちゃん

@sioonigiri

- 不安のフーちゃん -

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私は不安のフーちゃんと呼ばれている。

普段は夜になるとたくさんの人の心にお邪魔して、いたずらをする。

私は大抵、どこにいても居場所がなくて邪魔者扱い。

たくさんの人の心に遊びにいってもすぐに振り払われて追い出されてしまう。

弱っている人の心は唯一の私の居場所である。

隙ができたらすぐさま入り込んで、不安でいっぱいにするのだ。

でも、やっぱり居心地は悪い。

私はみんなに「フーちゃんなんか嫌い、出ていけ!」と言われる。


私には本当の意味での居場所がない。


ある日。

一人のくまのパジャマを着た女の子のところへお邪魔した。

その女の子には、大きな心の穴があった。

私はそこに入り込み、不安で満たした。

なんだか居心地が良い。

その日から、なんとなく私はくまのパジャマの女の子のもとへ通うようになった。

しばらく女の子の心に居座り、気が済んだら他の人の心へふらふらと。

そんな生活が3ヶ月ほど続いた。


ある時気がついた。

私、くまのパジャマの女の子に追い出されたことがない。

それどころか、居心地も良くて。


私はその夜、いつも通り女の子のもとへ行き、初めて心に問いかけてみた。


「どうして君は、私を追い出さないの?私のことが嫌いじゃないの?」


「フーちゃん、私はフーちゃんのこと好きだよ。フーちゃんがきたらおかえりって。フーちゃんが出ていったら行ってらっしゃいって。フーちゃんは私の友達だから、受け入れて、大切にしたいの。」


私はここにいて良いんだ。

初めてそう思えた。

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