第10話 魔法の絆と覚醒!フラワーフェイズ、限界突破!!
「勝てるかもしれない…」リリィはそう呟いたが、胸の中にはまだ不安が残っていた。目の前には、破壊的な力を持つユナとセリーナの二人が立ち、フラワーフェイズの一行をじっと見つめている。
「あなたたちがどれだけ叫んでも…私たちの力は、もう止められない。」ユナが冷酷に言う。
その言葉に、リリィは一瞬だけ息を呑んだ。確かに、魔法の力には圧倒的な差があった。しかし、彼女たちがこの先どう進んでいくのか、そしてどんな困難にも立ち向かう覚悟ができているのか、それが問題だった。
「私たちは、まだ終わらない!」リリィが鋭い目でユナを見つめると、サラがその言葉を引き継いだ。
「たとえどんな力があろうと、私たちは必ず光を信じる!」
その言葉に、仲間たちも強く頷き、気合いを入れ直した。
「私たちの歌の力は、闇の力に負けない!」エリスが力強く宣言した。
「私たちの絆で、この闇を越えてみせる!」ナナもまた、拳を握りしめた。
その瞬間、リリィの体が自然に反応した。彼女の手から、まるで光が漏れ出すかのように、輝く力が周囲に広がっていった。
「これが…私たちの新たな力。」リリィは静かに、そして力強く呟いた。その言葉とともに、空気が震え、周囲の闇が少しずつ晴れていく。
「でも、まだまだ私たちの試練は続く。ユナ、セリーナ、覚悟しなさい!」リリィが呼びかけると、ユナの瞳に一瞬だけ迷いが見えた。
「私の力を、もう一度試してみる?」
その瞬間、セリーナは冷徹な笑みを浮かべて呟いた。「さあ、行け、ユナ。私たちの力を試す時よ。」
ユナが手を差し出すと、空に浮かぶ黒い霧が集まり、巨大な闇の魔物へと変化していった。その魔物は、圧倒的な魔力を放ちながら、リリィたちに迫ってくる。
「いけーっ!」ユナが叫び、その瞬間、魔物が地面を震わせながら、フラワーフェイズに向かって飛びかかる。
リリィたちはその衝撃に一瞬たじろぎそうになるが、すぐに気を取り直し、魔法の歌を歌い始めた。だが、歌声が魔物に届いた瞬間、思いもよらぬことが起こった。
魔物がその声に反応し、膨大な魔力を放ち返してきたのだ。それは、歌の力を受け入れず、逆にその力を吸い取っていくような、恐ろしい力だった。
「これは…やばい!」ユリが叫んだ。歌声が魔物に吸い込まれ、ステージの空気が一瞬で重くなる。
「こんな…」リリィが叫んだ。「どうして?」
その時、サラが冷静に言った。「リリィ、私たちの歌だけではもうダメなんだ。何かが足りない…」
「足りない?」リリィが目を見開くと、エリスが答えた。
「私たちの歌、確かに魔法の力を引き出すけれど…それだけじゃ、闇を克服できない。私たち、もっと深い絆を見せるべきだよ!」
その言葉に、リリィの中で何かが弾けた。彼女は手を広げ、全員に呼びかけた。
「私たち、心を一つにしよう!歌だけじゃなく、私たちの想いをすべて込めて!」
その瞬間、リリィの体に魔法の力が集まり始め、空気が再び震えた。彼女の周りに、まるで光の輪が広がっていく。続けて、ユリ、サラ、ナナ、エリスもそれぞれ手を合わせ、リリィの力に共鳴するかのように魔法の歌を紡ぎ出した。
「私たちの絆、すべてを賭けて…!」
その言葉とともに、五つの力が一つに融合し、ステージに現れた魔物に直撃した。すると、今度は魔物が激しくうねり、魔力が一気に反転し始める。
「これが、私たちの真の力だ!」リリィが叫ぶと、歌声とともに放たれた光が魔物を包み込み、その姿を浄化し始めた。
「う、うわあああああ!!!」魔物はうめき声を上げながら、光の中で消えていった。
そして、闇が晴れ、再び清々しい光がステージを照らすと、観客たちは驚きと歓声を上げて立ち上がった。
「やった!」ユリが喜びの声を上げる。
「私たち、勝ったんだね!」ナナが笑顔を見せる。
「でも、これはただの始まりだよ。」エリスが冷静に言った。
その瞬間、再びユナとセリーナがステージに現れ、冷ややかな目で彼女たちを見つめる。
「お見事ね…でも、次はもっと大変よ。」ユナの目には、まだ消えない冷徹な意志が宿っていた。
「フラワーフェイズ、あなたたちの力、ほんの一瞬の輝きよ。」セリーナも一歩前に進み、挑戦的な視線を送る。
「次の試練も、全力で迎え撃つ!」リリィが決意を込めて言うと、みんなが力強く頷いた。
新たな戦いが待っている。フラワーフェイズは、どんな困難も乗り越えていく覚悟を決めていた。
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