異世界オーディション：歌姫の冒険

第11話 無限の試練！魔法の歌で運命を超えろ！

「次こそは、絶対に勝たなきゃ…」リリィは深呼吸をしながら、目の前に広がる新たな試練の場所を見つめていた。

ここは、なんと“魔法の迷宮”と呼ばれる場所だった。すべての試練を乗り越えた者が挑む、最終ステージに近づくための重要な場所だという。しかし、この迷宮には数多くの魔法的な罠が隠されており、一度足を踏み入れれば、二度と出られなくなる危険もあった。

「こんなところで試練をクリアするのか…？」ユリが不安そうに言う。

「でも、私たちはもう迷わない。」リリィはその言葉に力を込めて答えた。

その瞬間、迷宮の入り口が開かれ、彼女たちを待っていたのは—再び、魔法の歌を使いこなすための試練だった。

「ようこそ、フラワーフェイズ。あなたたちには、最終試練が待っている。」突然、神秘的な声が響いた。

その声の主は、迷宮の中に住む精霊のような存在で、光り輝く衣をまとった者だった。

「この迷宮は、心の奥底に眠っているものを引き出す場所。あなたたちがどれだけ強く、絆を深めているのかが試される。」精霊の言葉に、リリィたちは緊張を隠せなかった。

「心の奥底…？」サラが思わず呟く。

「この試練、絶対に無理だと思うよ…」ナナが少し不安そうに言った。

「でも、私たちは絶対に一緒だよ！」リリィは仲間たちを見つめ、気合いを入れた。「どんなに恐ろしい試練が待っていても、私たちは負けない！」

その時、迷宮の入り口が再び閉まり、五人は無数の道が交差する迷路に足を踏み入れた。迷路の先に待っているのは、予測できない試練の数々だ。

「これ、どうやって進めばいいの？」ユリが周りを見渡しながら言う。

「どこが出口かわからないわ…」エリスが目を凝らしても、迷路はひたすら続いている。

しばらく歩きながら、彼女たちは迷路の中で次々と不安を感じる出来事に出くわす。どこに進んでも、途中で道が閉じられたり、壁が突然現れたりするのだ。

「やっぱり、これは普通の試練じゃない…」ナナが言いながら足を止めた。

その時、突然、迷路の奥から不気味な声が響き渡った。

「フラワーフェイズ…君たちの絆は、どこまで試されるのか…？」

その声は、見覚えのある人物からだった。リリィは驚きのあまり、目を見開いた。

「その声は…ユナ？それに、セリーナまで…」

彼女たちの前に現れたのは、なんと、ユナとセリーナだった！彼女たちの姿はどこか異様で、暗闇に溶け込むように立っている。

「フラワーフェイズ…君たちは、私たちに勝つつもりか？」ユナが冷笑を浮かべて言った。

「今度は、この迷宮の中で私たちと戦わなければならない。」セリーナも冷徹な目でリリィたちを見つめる。

「…どうして、こんなところに？」リリィが尋ねると、ユナはゆっくりと答えた。

「迷宮は、君たちの心の闇を暴く場所だ。この中で君たちが本当に強くなれるのか、それを試す。」ユナの言葉に、リリィは思わず息を呑んだ。

「心の闇を暴く…？」エリスが不安げに呟いた。

「そうよ、あなたたちが本当に乗り越えなければならないのは、自分の中に潜む恐れ、弱さ…それを克服しなければ、迷宮を抜けることはできないわ。」セリーナが冷徹に続けた。

「心の中に潜む恐れ…」リリィはその言葉を深く噛みしめた。

その瞬間、迷宮の中に風が吹き荒れ、霧が立ち込めた。リリィたちは次々と目の前に現れる幻影に襲われる。

「リリィ…私たちはもう無理かもしれない…」ユリがつぶやく。

その瞬間、リリィの心が揺れた。過去の不安、恐れ、そして自信のなさが一気に押し寄せてきた。魔法の歌を使いこなせるのか？本当にアイドルとして世界を変えることができるのか？その疑念が心の中で渦巻く。

「もう、私は無理だ…」リリィは涙をこらえながら呟いた。

だが、その時、仲間たちが彼女の周りに集まり、手を取った。

「リリィ、私たちがいるから、怖くないよ。」ユリが微笑みながら言う。

「そうだよ。みんなで乗り越えよう。」ナナが力強く言った。

「私たちが一緒なら、どんな迷宮だって、どんな試練だって乗り越えられる！」サラが手を差し出す。

「リリィ、私たちの力を信じて。」エリスが優しく言った。

リリィはその言葉を聞き、心が温かくなった。涙をぬぐい、深呼吸をすると、仲間たちの手を握りしめた。

「みんながいるから、私は…負けない！」リリィの声が、迷宮に響き渡った。

その瞬間、彼女の体から光が溢れ、周囲の霧が一気に晴れていった。そして、ユナとセリーナの姿がぼやけ、消えていく。

「私たちは、絶対に一緒に進んでいく！魔法の歌で、みんなの心を繋げる！」リリィが力強く叫んだ。

その声に応えるように、空に大きな光の柱が立ち、迷宮の出口が開かれた。