第8話:切ない恋のはじまり。

「ライラ?・・・・ライラ?、何考えてるの?」


「あ、ごめん・・・北斗君、今日はありがとうね、楽しかった」


「どうしたしまして・・僕も楽しかったよ」

「それに君となら、どこにいたって楽しいと思うから」


「私だって、北斗君となら、どこにいたって楽しいよ」

「ディズニーランド?・・・こんなところに、北斗君と二人で住めたらいいな」


「また子供みたいなこと言ってる」


「あはは・・・想像が過ぎるね」


「夜になったらパレードもあるよ」


「ほんと?、見てみたい・・・」

「だけど、あまり遅くまでいられないかの・・・私、門限厳しいから」


「え〜これからなのに?」


「ごめんね・・・もうすぐ日が暮れる・・・帰らなくちゃ」


「じゃ〜待ち合わせた場所まで一緒に帰ろう」


私たちはディズニーランドを出た。

そして駅に向かう道で北斗君が言った。


「あのね、俺、これから忙しくなりそうだから、しばらくレイラと会えないと

思うんだ・・・」

「今までみたいには会えなくなるかも・・・」

「でも、なるべく時間作って会えるようするから・・・」

「また会えるようになったら、連絡するからね」


「北斗君って学生?・・・働いてるの?」


「両方・・・」


「学生さんとお仕事両方?・・・大変だね」

「お仕事って何してるの?」


「ごめん、それは、ちょっと言えないんだ・・・」

「でも人に後ろ指指されるような、そんなヤバい仕事じゃないからね」


「そうなんだ・・・分かった・・・私には言いたくないんだ」


「そうじゃなくて・・・もし、君に言ったら・・・

俺に対する君の気持ちがきっと変わるって思うから・・・だから」


「そんなこと言ったら、余計気になるじゃん」

「じゃ〜いいよ・・・言わなくてもいい」

「北斗君の言いたくない気持ち、私にも分かるから・・・」


(私も同じだもん)


「お仕事がんばってね・・・私、寂しいけど連絡、くれるの待ってる・・・」


「ごめんね」

「でもね、俺、君のこと、一分一秒どんどん好きになってくんだ・・・」

「君が笑うと、ひとつ好きになって、君がおしゃべりすると、また好きになる」

「君の横顔をみてるだけで、好きになってく」

「好きって気持ちがエスカレートしてく」


「君がいるだけで、切なくなるんだ・・・俺、君に恋してるんだ」

「この気持ち、もう止められない・・・」


「うん、ありがとう・・・とっても嬉しい・・・それは私も同じだよ」

「私も北斗君のこと、どんどん好きになってく・・・」


(でもね・・・北斗君が、本当の私を知ったらきっと嫌いになるよ)


そしたら、急に北斗君が私の肩に手を当てて


「いい?」って言った。


「え?、なに?」


「キス」


「キス?・・・」


それは私でも知ってた、私の星でもそう言う習慣があるから・・・。


「いい?」


「あ、うん・・・いいけど」


(男性とキスなんか一度もしたことないよ・・・どうしよう)

(めっちゃドキドキしてきた)


緊張感と少しの期待感?

北斗君の唇が私に迫ってきて私は自然に目をつぶっていた。


思ったより柔ない感触・・・。

頭がボーッとして私は立ってられなくて、そのまま北斗君にしがみついた。


それが私のファーストキス。


北斗君は私を抱きしめて言ったの。


「離したくない・・・帰したくくないよ」


「北斗君・・・」


(何も言えないまま、ここまで来ちゃったじゃない)

(私の全部、話しちゃったら、きっと北斗君とのお別れが待ってる・・・)


(別れたくないよね・・・・そんなの悲しすぎるよ)


つづく。

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