第6話:二度目のデートで告られる。

ウラは北斗君とのデートをやめたほうがいいって言った。

そうなんだけど・・・でも約束は約束だから・・・。

すっぽかしたりできないでしょ。


「いっそ異星人だってバラしちゃえばいいんだよ」

「そしたら、向こうから逃げてくよ」


それもよく分かってるんだけど・・・。


そしてデートの約束の当日・・・北斗君は、同じ場所でちゃんと待って

くれていた。

その時は、私はまだ彼がどういう人物なのか知らないままだった。


「お待たせ」


「ライラ・・・会いたかった」


そう言われると、まんざらでもなかった。


「わ、私も・・・」


「あのさ・・・俺、君のこと・・・」


「え?」


「俺、君のこと、もっと知りたい・・・」


「あ、そのことなんだけど・・・」

「・・・なんて言えばいいんだろ・・・私ね・・・」


「俺、君のことが好きなんだ・・・」


「は?・・・」


「だから君のこと好きになっちゃったって言ってるの・・・」


「え〜会うのまだ二回目だよ」


「そんなの関係ないでしょ」

「一度すれ違っただけで好きになっちゃうことだってあるよ」


「そうだよね・・・一目惚れってのもあるしね」


(私、なに言ってるんだよ・・・ダメ、ダメ、ダメ・・・どんどん 深入りして

てるじゃん・・・どうすんのよ・・・)


「でも私の気持ちは?・・・まだ」


「あ、そうだよね、君の気持ちは無視してた・・・ごめん」

「でも来てくれたってことは、俺のことキラいじゃないんだよね」


「そうだね・・・」

「それに、約束はやぶっちゃいけないでしょ」


「俺、最初のデートの時から今日まで君のこと、ライラのことをずっと

考えてたんだ」

「そしたら、どんどん君のことが忘れたなくなって・・・」

「だから君のことをもっと知りたいって思って・・・」


(知りたいなら私の正体教えちゃうよ、知ったら驚くから・・・)


「・・・・・私のこと、好きになったらきっと後悔するよ」


「どうして?・・・今、他に付き合ってる人とかいるの?」


「いや、そういう意味じゃなくて・・・」


「君を好きになっちゃいけない理由でもあるの?」

「俺、片想いなんて、もう嫌なんだ・・・」


「片想いって・・・」

「北斗君でも片想いなんてあるんだ・・・告白したら女性はみんなおっけ〜

するでしょ」

「女性が放っておかないと思うけど」


「そんなことないよ・・・俺だって失恋くらいあるし・・・」


「え〜そうなんだ・・・」

「じゃ〜今は?、お付き合いしてる彼女とかいないの?」


「いないよ・・・彼女がいたら君をナンパしたりしないでしょ」


「そっか・・・」


「君こそ・・・本当は彼氏いるんじゃないの?」

「君は俺が告ってるのに、いい返事くれないじゃん」


「告ってるの?」


「え?聞いてなかったの?・・・さっき好きだってはっきり言ったでしょ?」


「あ・・・そうだね・・・あはは、私ボケてるね」


「まだ、その返事もらってないけど・・・」


「困ったな・・・即返しなきゃいけない?」


「なんで困るの・・・うん、いいよって言ってくれたらいいだけでしょ」

「ね、いきなり彼女になってなんて言わないからさ、これからも付き合って

欲しいんだ?」


「うん、じゃ〜いいよ・・・」


「まじで?・・・よかった・・・それっておっけ〜ってことだよね、嬉しい」


(そんなキラキラした目でみられたら、もう異星人だなんて言えないよ)


「って言うか・・・いつまでもこんなところで立ち話しててもつまんないでしょ」

「行こうよ・・・歩きながらでいいから君のこと教えて?」


「うん」


「ね、手繋いでいい」


「うん・・・いいよ」


(完全に北斗君のペース・・・)

(また言いそびれちゃったじゃん・・・どうすんのよ〜)


「でも北斗君みたいな超イケメンでもフったりする女性いるんだ・・・」


つづく。

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