第5話:ウラ

私かは自分が異星人だって北斗君にバラすタイミングを失った。

バラしてしまえば私のこと諦めると思ったんだけど・・・。


「君みたいな子、はじめてだよ」


「私って面倒くさいでしょ・・・だからね・・・」


「それよりさ、次の土曜日も君が立ってた場所で待ってる・・・

朝から待ってるから来てよ 」


「え〜・・・なんで?」


「用事でもあるの?」


「いや〜そう言うわけじゃないけど・・・」


「じゃあいいよね、待ってるからね」


(北斗君ってぐいぐい来るよね、きっとドSだよね)


ってことで結局、次のデートを約束してしまった。

UFOに帰って今日あった出来事を妹のウラに話した。


「あはは・・・ナンパされた?地球の男に?・・・バッカじゃないの?

お姉ちゃん」

「そんな、どこかのJKの制服なんか着て可愛げな格好してるからだよ」


「だって、地球の女子高生の制服着てみたかったんだもん」


「もっとブスになればよかったのに・・・」


「自分の可愛い顔は変えたくないじゃん」

「私が、おばさんだったらさすがに制服は着ないけど・・・私まだイケるもん」

「それに彼、超イケメンだったしね・・・」

「一緒にいて楽しかったし・・・」


「ほんとバカね、地球の男になんか関わらないほうがいいよ次のデート、

約束してるんならしかたないけど、どこの馬の骨かも 分からない男なんて、

危険だよ・・・」


「今度、会ったらちゃんと断りなさいよ 」

「いっそ異星人だってバラしちゃえばよかったんだよ」

「私ならそうするけど・・・そしたら向こうから逃げてくよ」


ってウラにそう言われた。


「そうだよね・・・このまま地球人になりすましてたって 一生このまま

って訳にはいなかいし・・・ いつかはバレるし・・・」


「でも、私の本当の姿をみたら絶対引かれるよね」

「北斗君の驚いた顔、眼に浮かぶわ・・・」

「もし、このまま付き合って彼女になって、なんて言われたらどうしよう 」

「深い傷を負わないうちにバラしちゃったほうがいいよね」

「次に会った時に全部バラそう・・・そうしよう」


「それに地球についてもっと勉強しなくちゃね」

「このままじゃ、生きていいけないよ」


「ねえウラ、携帯って知ってる」


「一応ね」


「ハル(ハルはUFOのAI・コンピューター)・・・お姉ちゃんに携帯に

ついて教えてあげて」


「分かりました・・・携帯とは・・・携帯電話のこと」

「携帯電話とは、無線通信により携帯することが可能となった電話機です」

「また、電話機を携帯する形の移動体通信システム電気通信役務端末を

携帯あるいはケータイ・・・

この場合は、スマートフォンではなくフィーチャーフォンを指すことが多い

・・・以上です」


「要は持ち運びできる受信機ね」


「それはいいんだけど、どうやって手に入れよう」

「住所不定だし戸籍もないし国籍だってないし、もぐりの異星人だよ・・・

銀行口座だってないし・・・お金出して買うことなんてできないでしょ」


「そういうことならお父さんに相談してみたら?」


ウラがそう言うので、お父さんに相談してみた。

そしたら次の日、普通に携帯を持って来てくれた。


「ねえ、これどうしたの?」


「うちの転送機で出した」


「どこから?」


「さあな・・・誰かのだろう・・・」


「人が使ってるのなんてダメだよ」


「いらないのか?」


「・・・あ、いい・・・しばらく借りることにする」


つづく。


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