タイトルに「剣客商売」とあるように、読み始めてすぐこの小説が池波正太郎の『剣客商売』を参考にしているのに気づいた。
秋山父のさばけた態度や、秋山息子の世間知らずだがまっすぐな性格は本作にも反映していて、読んでいてワクワクした。
がそれ以上に中世ドイツの都市生活のリアルな描写に圧倒された。
池波版剣客商売は江戸の香りを運んでくれるが、ドイツ剣客商売もニュルンベルクの冷たく固い石畳の感触を読者に想起させる。
見知らぬ異国の都市の、それも遠い過去の感触を読者に想像させる筆致は只事ではない。
ニュルンベルクはずっとのちに謎の孤児カスパー・ハウザーが発見された場所だ。
だから名前を聞くだけで妖しい気持ちになる。
まだチャンバラはなく、章題である「女武芸者」も登場していない。
現在更新されているのは六話。
中世ドイツを舞台にした歴史小説と、日本の時代小説が融合した稀有な逸品です。
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