第28話
和泉はいつだってそうだ。
あたしの後ろにいる様で三歩くらい前を先回る。
フラフラしてるあたしから目を離さない為に後ろにいるなんて、知ってる。
和泉はそういう奴だ。
悔しいけれど、和泉はあたしなんかよりずっと出来る男なんだ。
ずっと隣に居たあたしはそれをよく知っている。
和泉が主任の大口顧客を引き継いだのは、和泉がみんなの期待の目を向けられるのは、男とか女とか以前に当たり前なんだ。
和泉自身、ちゃんと自覚しなよ。
あたしの事ばっか気にしてないで・・・。
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