2025.11.6 緊急徹底討論「押しボタン式信号へのストレスフリー対処法」

※ことの発端につきましては、昨日の記事、

「2025.11.5 walking!外伝 湘南編③」をご覧ください。


【問題の概要を3行で】

とある観光地に押しボタン式信号の横断歩道があって――

そこの信号が青に切り替わるのがやたらと遅いせいで――

「隣人はボタンを押したのか?」と相互不信が芽生える――ストレス!



                § § §



 みなさま、こんにちは。

『チラシの裏の裏には書けない』

 総合司会の吉田晶です。


 最近、こんな声をよく耳にします。


「最近、世の中が生きづらくなった」

「科学は進歩し続けているのに、なぜ……?」


 そこで当社スタッフが、AIを利用しつつ独自の視点から分析してみたところ、

衝撃の事実が判明したのです!


【現代日本におけるストレスの約97.8%が「押しボタン式信号」に起因している】


 多くの要因が入り組んでいるため、この現象を平易に説明するのは至難の業。

 しかし、たった一つだけ確信をもって言えることがあります。


【押しボタン式信号が人類の相互不信を生み出し、いつの日か文明を滅ぼす】


 ――というわけで、本日は「walking!外伝 湘南編④」をお届けする予定だったところ、急遽テーマを変更して、「押しボタン式信号へのストレスフリー対処法」について徹底討論したいと思います!




 ――それでは、今晩のコメンテーターを紹介しましょう。

 我らが脳内ご意見番、タヌキ娘の田晶デンショウ=サン(※)です!


【スポットライトON:田晶】


田晶:

待てい! どうしてわらわが“有識者枠”に座らされておるのじゃ?

それに、「討論」と謳っておきながら、参加者がわらわ一人とは何事か!

遺憾! 遺憾! ぽんぽこぽん! (憤懣)


総合司会の吉田晶(以下「司会」):

他の人格を出すと、【朝まで●テレビ!】みたいに収拾がつかなくなるからです。

不毛じゃないですか、あんなの。


田晶:

……なるほど、一瞬で理解したのじゃ。

ぽんぽこぽ〜ん(悲哀)

  

司会:

ありがとうございます。

それでは、脳内賢人会議が提案した対処法を順にご紹介しましょう。

第一案はこちら!


【修行と割り切って、ひたすら耐え忍ぶ】


どうでしょうか、田晶=サン!


田晶:

真っ先にそれが浮かぶあたり、宿主らしいというかなんというか……

それは対処法でも何でもないのじゃ。

前職だって、結局 “割り切れなくなって” 辞めたのじゃろ?

もうすこし前向きなヤツにしよう、な。


司会:

ありがとうございます。優しさで前が見えません(涙)。

では、第二案いってみましょう!


【押しボタン式信号利用啓発推進計画】


これはですね、日本全土に

「信号のボタン、押しましたか?」

と聞いても恥ずかしくない風潮を作る国家プロジェクトです。


たとえば、政府主導でばんばんCMとか流すわけですよ!

柳沢慎吾とか、ケヴィン・ベーコンとかを起用しちゃったりして!


田晶:

うーん、とても実現する気がしないのじゃ……

しかも最後のはなんじゃ。宿主の趣味がダダ漏れしただけではないか。

わらわは松平健とか舘ひろしとかがいいのじゃ!


司会:

(チッ、ただのメンクイじゃねえか。古狸が……)


田晶:

何か言ったかの?


司会:

(とびきりの笑顔で)いいえ、なにも!

それでは、もう少し現実味のあるヤツを紹介いたしましょう。


【コードネームはつぶやきSシロー


具体的にはですね、居合わせた人にギリギリ聞こえるくらいの音量で

「変わんないのね……しっかりとボタン押したのに、変わんないのね……」

あるいは

「変わんない……ちゃぁんと押したのかなぁ……」

とえんえんつぶやき続けてですね――


田晶:

却下じゃ却下!

率先して他人にストレスを与えてどうする!

かえって相互不信を煽っておるわ!

滅びちゃうのじゃ現代文明が~っ!


司会:

むむぅ、手厳しいですなぁ。

でしたら、これはどうですか?


【小学生風ボタン連打法】


まわりに人が居ようとなんだろうと、

信号が青になるまでボタンを連打しつつけるという――


田晶:

成人おとなでそれが出来るだけの図太さがあれば、

そもそもストレスなぞ感じないのではなかろうか……


司会:

ごもっとも……


田晶:

ほら、コメントにもあったじゃろ。

そもそも、「押したかどうか」が分かりづらいのが問題なのじゃ。

最近の信号機の中には、横に待ち時間が表示されるものもある。

あれの発展形として、ボタンが押されているかどうか、一目でわかる機能を導入すればいいのではないか?


――まあ、こんなところでマジメに提案してもしょうがないがの。


司会:

そんなことはありません!

この『チラシの裏の裏には書けない』、

今や一億PVを達成した超人気コンテンツですから、政府だって無視できませんよ!


田晶:

寝言は寝てから言え。

……いや、ここ自体が夢の中みたいなものじゃから、まぁ、よいのか。

もう気は済んだか? わらわ、眠たくなってきたのじゃ。

そろそろ解放してほしいのじゃが。


司会:

まだ帰られては困りますよ田晶=サン!

ここからは次のテーマ――


【青信号に切り替えるボタン】

【青信号延長ボタン】

【視覚障害者用音響ボタン】


この三種の違いが分かりづらい問題について、徹底討論していただきます!


田晶:

ああ……確かにアレ、間違って押すと地味に恥ずかしいのよな。

と~りゃんせ♪ とおりゃんせ♪(←ヤケクソ)




 ――こうして、「押しボタン式信号」を巡るトークは、朝まで続いたのだとさ。


 どんどはれ


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※タヌキ娘の田晶=サン

吉田晶の脳内に潜む人格の一つ。その正体は齢を経た雌狸。

とりあえずは人の話が聞けるので、最近はしょっちゅう呼び出されて、

そのたびにひどい目にあっている。ぽんぽこぽ~ん(悲哀)


「今の世の中、サイコパスのほうがぜったいに得をしている気がするのじゃあ!」

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