ゲーマー心を強くくすぐってくれる、様々な演出に自然と頬が緩みました。
主人公の根杉白昼夢(ねすぎ・どりーむ)は「予知夢」を見るスキルを持っている。
それを駆使し、ダンジョンの中で起こることを予測し、レアアイテムを得られる場所も割り出すことに成功する。
そうして辿り着いた先でゲットしたのは、なんと「羽毛布団」だった。
それどうすんだよ、とツッコミを入れたくなりますが、「マント」のようにして装備すると、本当に強い。
見た目は良くなくてもスペックは高い。
意外とこれ、ゲームの「あるある」というか。ゲーマーのロマンですね。
どう考えても「ネタ」に走っているようなヴィジュアルの装備。それを使ってのダンジョン攻略。これはゲーマーなら確実に心を惹かれ、配信なんかをやる分にはものすごい強みになる要素でもあります。
「この装備、どこで手に入れたの?」、「こんなアホな外見なのにやたら強いの草」というような感じ。
本作の主人公もその例にもれず、ネタっぽい装備で無双していける状態に。
そうして最深部を目指すことにより、彼が見たものは。
この作品の楽しいところは、「KAC2025」で登場したお題をあえて全部投入していること。
「あの夢を見たのは」で始まり、更に「天下無双」や「ダンス」や「布団」なども登場。「あこがれ」や「妖精」などはわかる。
でも「ひなまつり」はどうするの? 世界観大丈夫? と思いながら読み進めることに。
その部分も綺麗にクリアし、見事に物語の山場と絡めているところがお見事でした。
どのお題がどのタイミングで出てくるか。それらを予想しながら読んでいくと、更に楽しめること間違いなしです。