第14話
西川先輩の助言(?)を受けてから数日が経ってしまった。
私が忘れていて南雲先輩が覚えていることは思い出せないけど、当たって砕けろ!でも少しだけは期待したい、という気持ちを胸に過ごしている。
いつ、どのタイミングで告白ってすればいいのだろうか。全くわからない。そのためすぐ何日か経ってしまう。
恋愛初心者は辛い。
「南雲先輩」
『なに?』
はあ今日も格好いいです。
座ったまま私の方は体を向ける南雲先輩が格好良すぎてどうにかなりそうだ。なんでこの人こんなに格好いいんだろう。顔だけじゃなくて、存在そのものが格好いい。
「これ、昨日言ってた資料です」
『さんきゅ』
自分から話しかけたところで、会話なんて業務連絡のみである。
こんな周りがたくさんいる中で今晩お暇ですか、なんて聞けやしない。
今まで散々好き好き言ってたけど、それとこれとは話が別である。
「ん〜〜どうするべきなのか」
『でけえ独り言だな』
「その声は!悪の組織、安東だな!?」
『お前いくつだよ』
ふは、っと笑う安東につられて私も笑う。給湯室でコーヒーを淹れているときが至福のときで、リラックスできるときだ。
『お前のアホヅラ見てたら元気出てきたわ』
「は?失礼極まりないしそれブーメラン発言だからな!!」
『俺のどこがアホヅラなんだ?』
くっそ、こいつも顔は整っていた。ちくしょう。貶せるところが少ない。むかつく。
「全部!なんかほら、雰囲気!」
『ハイハイわかったわかった』
さらっと流される。こいつ、なんなんだ!
「ったく安東のやろ〜!」
『それもブーメラン発言な』
2人して笑いながら給湯室を出ようとした瞬間、入れ違いで南雲先輩が入ってきて。
私と安東を見て、すぐ視線を逸らした。
なんだか機嫌が悪そうな気がした。いや、体調でも悪いのだろうか。
「南雲先輩、体調、悪いですか?」
『…いや。気にするな』
これ以上何も言うな、みたいな雰囲気を醸し出している南雲先輩に、私も安東も何も言えなかった。
『お前、体調悪いかもとか、よく気付いたな?』
「でも空振りだったし」
本当に空振りだったのだろうか。心配だけれど、話しかけるなオーラはその後も続いていて、就業間際まで話しかけることができなかった。
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