第13話

「ご自分の彼氏さんのこと、他の女に言うのって、平気なんですか?」


もう直球しかなかった。わからなさすぎた。

マウントとるならもっとうまくして欲しかった。


『彼氏…?』


「南雲先輩と、付き合ってるんですよね?」


『え?』


「え?」


二人して数秒間見つめ合ってしまった。その沈黙を破ったのは、西川先輩の笑い声だ。


『あはははは!ないない、本当にあり得ない!!!』


「でも、みんなそう言ってますし!」


『そんなの南雲が聞いても笑い話になるわね。なるほど、そんな噂が流れていたのね』


一人でなにか納得している西川さん。私にもわかるように説明して欲しい。


『そもそも、私のタイプは南雲じゃないわ。ついでに彼氏いますもの、見る?』


携帯の画像フォルダを探しながらそう言い、見せてくれた写真は。

西川先輩と、めっちゃイケメンの外国人の2ショットだった。


「めっちゃイケメンですね!!!」


『でしょ?学生の頃に頑張ったの~』


ふふっと笑う西川先輩。美人の笑顔は強すぎる。


『私と南雲の関係を噂かなんかで知って、最近南雲から距離を置いていたの?』


めちゃくちゃ直球に聞かれて、こんなんなら最初から直球で聞いてくれよ、なんて思ってしまった。


「それも、ありますけど…そろそろ、しんどくて」


一番大きい理由は、南雲先輩と西川先輩がお似合いすぎる、ということだったのだけれど、そんなこと本人に言うなんて恥ずかしすぎる。


「脈のなさ過ぎる片思いは、しんどいです」


『なるほどね、気持ちわかるわ。でも、私は今の彼氏にアプローチ始めて付き合うまでに4年かかったわ』


大学生活全てね、なんて笑う西川さんに開いた口がふさがらない。こんな美人でもそんなに粘ったのか。


『脈のあるなしは、南雲本人にしかわからないけど。最近の南雲が、明らかにつまらなさそうっていうのは、同期の私から見てもわかる事よ』


「私が関係してるなんて、言い切れないじゃないですか…」


『そうね。でも、恋愛なんて思い込みと少しのうぬぼれがないと行動に移せないものよ』


頑張ってね、と背中を押される。

珍しい組み合わせの昼は終わる。


南雲先輩と西川先輩のことが、勘違いだとわかって。

最近の南雲先輩の様子のこともあって。


「思い込みと、少しのうぬぼれ、かあ」


西川先輩と分かれて、なんとなくつぶやいた。


行動を起こすなら、今なのかもしれないな、なんて思った。

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