旅立ち…【KAC20255】【900文字】【三題噺「天下無双」「ダンス」「布団」】

Minc@Lv50の異世界転生🐎

旅立ち

 眩しい光が部屋を照らし出し朝が来た。朝食の後、俺は部屋の布団を丁寧に整えた。ここで世話になった気持ちを込めて…


 一か月前にここにふらっと立ち寄り結局1ヵ月も世話になってしまった。お礼に収穫の手伝いと力仕事をして村人達に逆に感謝された。それも今日でさよならだ。


 昨夜は収穫が終わった収穫祭と俺のお別れ会を兼ねて村全体で宴会をした。世話になっているセナの娘、ニナとミナが踊りダンスを披露してくれ大いに皆盛り上がった。とても楽しい夜だった。


 昨夜はセナとも盛り上がった。ここに来た時に彼女に大人にしてもらってから一か月、夜の方の修行もさせてもらっていた。


「本当に行くのかい?ここにずっといてくれていいんだよ?」

「いや、行くよ。俺の村ももう飢饉でここよりずっと貧しいんだ…年に一度の武道会で優勝して村を立て直すんだ」


「うちの旦那もまったく同じ事を言っていたよ…そして戻ってこなかった…」

「大丈夫だ!俺は絶対に戻る!村にもここにも!」


 セナは悲しい目をしながら言ってもムダな事を知っているのでそれ以上は何も言わず両手を前でしっかりと握り締めていた。


「「いかないでぇ」」

 娘のニナとミナも泣いて俺の足にしがみつく…二人の頭をクシャッと撫でて俺は二人と同じ目線にしゃがむ。


「お母さんの手伝いをしっかりやって支えてやるんだぞ。きっと俺は勝って帰ってくるからな」


 そう言って荷物を担ぐ。

「じゃ、行ってくる」

「「頑張れ!」」

「「無事で戻ってこいよぉ!」」

 村人たちも俺を見送ってくれた。絶対に勝つ!






          ※


「はぁ、行っちまったねぇ」

「本当に…あんな天下無双の奴らが集まる武道会で勝てる訳なんてないのに…」

「まぁ、戻って来ないだろうね」

「賭けるか?」

「「「おっ!乗った!」」」

 村人たちは賭けを始める。


「セナ、お疲れ様。今回は結構骨のある子でアンタも結構本気だったんじゃないのかい?」

「まぁねぇ…初心者うぶだったからねぇ…いいよぉ…自分のいい所を教えた通りにしてくれるからねぇ…」

「ハッ!さすがセナ姐さん!」

「まぁ、武道会は毎年収穫後。またちょっと早くに現地入りしようとするバカがいるだろうから捕まえて修行と称して収穫させてやればいいのさ」



悪女ワルだねぇ」


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