同じ夢を9回ほど見る青年の物語です。
青年は画家を目指しており、修行のために都会に出て参りました。
友も恋も捨てて……。
しかし人生は残酷です。
多くの人がそうであるように、彼もまた、夢に疲れていつしか絵を描くことすら忘れてしまうようになりました。
ついに体も壊し、入院してしまいます。そこで、同じ夢を見るようになりました……。
それは数歌の夢。
一つ、ふたつとカウントアップしていきます。
そして、10つまり最後が訪れるとするなら、彼にどんな運命が待ち受けているのでしょう……?
人生に成功することが、生きる目的である、と、どうしても寿命が長くて暇になりがちな人間は思ってしまうわけですが、
本当に豊かな人生とはなんだろうと考える機会なのやもしれませぬ。
9回も同じ夢を見たという事は。
ご一読を。