娘よ、それダメなやつぅッ!!

さいとう みさき

パパがダメならあたしが頑張る!!


「パパ、あたしにいい考えがあるよ!」


 人差し指をピンと立てながら、まるででもしたかの様にドヤ顔をするが娘。

 あ、これダメなやつだ……


「どうしたが娘よ?」


「パパが無職でケガ治療中だから、あたしが、『ゆーちゅーばー』になって稼いであげる!」


 おおぉう、まさしく

 無理無茶無謀の三無主義を地で行く我が娘よ。


「気持ちは嬉しいけど、『ゆーちゅーばー』は簡単には稼げないよ?」


「わかってるって、だからパパも一緒にやるの!」


「いや、やるって言っても、なにを?」


!!」


 そう言いながら娘はの上でを始める。


「こらこら、ほこりが立つからやめなさい」


「え~? でもこのダンスですればすぐに『バズ』って登録者も再生数もうなぎのぼりだよ!」


 どこでそういう言葉を覚えるのやら。

 娘が気遣きづかってくれるのは嬉しい。

 しかし、社会人経験のある者なら簡単にはいかないことはすぐにわかるだろう。


 例えば、料理番組。

 私は料理も好きで、もと高級ホテル料理人の「マグロの油漬け缶詰少年(日本語訳)」とか、釣りが好きで、釣った魚の料理も楽しそうな九州の「つりいいでしょう(共通語訳)」みたいなのをよく見る。

 もちろんプラモデルも好きなので、「ぷら板(本来全てひらがな)」とか「作るタチャンネル(一部和訳済み)」とかもよく見るが、それだって相当な技量と努力、編集能力の高さやパフォーマンス、人を引き付ける要素が明確である。


  ただダンスを踊ってみたは学生がよく簡単に思いつく内容ではあるが、サプライズでもなければ仲間内でちょっと見て終わってしまうだろう。


「いいか我が娘よ、ああいうダンスチャンネルは相当な踊りが出来なければバズる事はないんだよ? ほら、こういったブレイクダンスとかすごい人だって再生数はそれほどでもないでしょう?」


「ぶぅ~! でも私ダンスでバズりたい!!」


 そう言ってまたまた布団の上でタコ踊りを始める。

 まぁ、かわいいと言えばかわいいけど、それは親目線だからだろう。


「でもなぁ、パラパラ踊りだってバズルとこまではいかんしなぁ……」


「ん~、じゃぁ一枚一枚脱ぎながら踊るやつは? パパが好きなの!」




『やめなさい!!』



 

 頼む、児童ポルノになっちゃうから、別の意味でバズっちゃうからぁッ!!






 ……それよりなんで私がそんな動画こっそり見てたの知ってるんだ我が娘よ!?

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娘よ、それダメなやつぅッ!! さいとう みさき @saitoumisaki

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