第24章:神殿に眠る真実
エリオスとリナが《星の神殿》の内部へ足を踏み入れると、そこはまるで星空そのものだった。
天井には無数の星が瞬き、足元には淡く光る水晶の床が広がっている。壁には古代の紋様が刻まれ、ゆっくりと流れる星の光がそれを照らしていた。
「……ここ、本当に神殿なの?」リナは驚きの声を上げた。
「まるで夜空の中を歩いているみたいだな……」エリオスもまた、幻想的な空間に圧倒されていた。
静寂の中、二人は奥へと進んでいく。
すると、神殿の中心にそびえ立つ巨大な石碑が現れた。
その表面には、エリオスがこれまで見たこともない古代文字が刻まれていた。
「これは……?」
エリオスが手を伸ばそうとした瞬間――
「星の継承者よ、ここへ来るのを待っていた」
突如として、神殿全体が光に包まれた。
そして、石碑の前に一人の人物が浮かび上がった。
白銀のローブをまとい、宙に浮くその人物は、年老いているようにも、若々しくも見えた。長い髪は星の光を帯び、瞳は深い宇宙のような輝きをたたえていた。
「星の継承者よ……汝は、ここへ至るべくして来たのだな」
その声はどこか懐かしく、そして神秘的だった。
「あなたは……誰なんですか?」エリオスは慎重に問いかける。
ローブの人物は微笑みながら、ゆっくりと手を差し伸べた。
「我は星の王国の守護者……そして、かつてこの神殿を築いた者の一人だ」
「星の王国の……守護者……?」リナが驚いた声を上げる。
エリオスの胸元で、星の欠片が共鳴するように淡く輝いた。
「今こそ、汝に真実を伝えよう――星の王国が滅びた理由、そしてお前の使命を」
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星の王国の滅亡
守護者が手を掲げると、神殿の空間がゆらめき、星の光が形を成していった。
そこに映し出されたのは、かつての星の王国――美しく輝く宮殿、空に浮かぶ都市、人々の笑顔……だが、その光景はすぐに闇に覆われた。
「これは……?」エリオスは息をのむ。
「かつて、星の王国はこの世界の中心にあり、星の力を守り続けていた。しかし、ある者がその力を欲し、邪悪な闇を呼び寄せたのだ」
映像の中に、黒き影が現れる。
それは、まるで世界そのものを飲み込むような深い闇。無数の黒き触手が空を裂き、王国を飲み込んでいく。
「これが……《闇の王》?」
「そうだ……《闇の王》は星の力を奪い、世界を支配しようとした。我らは抗ったが、力及ばず……王国は崩壊し、王は命を落とした」
エリオスの拳が震えた。
「だが、希望は途絶えなかった。王は最後の力を振り絞り、《星の欠片》を作り出し、それを守る者たちに託した」
「……それが、俺の父……?」
「そうだ。お前の父は王の忠臣であり、《星の欠片》の守護者だった。彼はこの世界に残された最後の希望を託され、お前にその血を繋いだ」
エリオスの胸の奥に、熱いものが込み上げた。
父はただの村人ではなかった。彼は王国を守るために戦い、そして自分に未来を託したのだ。
「じゃあ……俺がしなきゃいけないことは……」
「汝の使命は、《星の欠片》を完全に覚醒させ、《闇の王》を討つことだ」
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使命と覚醒
エリオスは剣を握りしめた。
「……俺に、そんなことができるのか?」
「できるとも。汝の中には、星の力が流れている。そして、汝が戦いを経てここへ至ったことこそが、証明なのだ」
守護者が手をかざすと、星の欠片がさらに強く輝き始めた。
「この神殿で、最後の力を授けよう。汝が真に《星を渡る者》として目覚めるために――」
次の瞬間、エリオスの全身が星の光に包まれた。
「エリオス!!」リナが叫ぶが、彼の意識はすでに別の次元へと引き込まれていた――。
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