第23章:星の神殿への到達

 星の幻界での試練を終えたエリオスとリナは、再び現実の世界へと戻ってきた。旅人の姿はすでになく、代わりに遠くの空に浮かぶ星々が、彼らの行くべき道を示すかのように瞬いていた。


 「エリオス、大丈夫?」リナが心配そうに彼の顔を覗き込む。


 「……ああ、大丈夫だ。でも……」


 エリオスは胸元の星の欠片を見つめた。試練を乗り越えたことで、その輝きは以前よりも強くなっていた。星の力が、確かに彼の中で覚醒しつつあるのを感じる。


 「さっきの旅人……何者だったんだろう?」


 「きっと、私たちの行く道を試していたんだと思う。でも、彼の言葉にあった《闇の王》って……」リナが不安げに呟く。


 「奴が、星の王国を滅ぼした元凶だ」エリオスは静かに答えた。「俺は奴を倒す。そのために、この力を使うんだ」


 リナは彼の決意に頷きながらも、どこか言いづらそうに視線を落とす。「でも、エリオス……もし、この力があなたを傷つけるものだったら?」


 「……それでも構わない」


 エリオスの瞳には、迷いはなかった。父の意志を継ぎ、星の王国の未来を取り戻す。その覚悟が、彼の全身に満ちていた。


 「……ふぅん、やっぱりあなたは無茶をするタイプね」リナはため息をついたが、その表情には微笑みが浮かんでいた。「じゃあ、行きましょう。星の神殿へ!」


 そして、二人は歩き出した――。


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星の神殿の入口

 それから数日後。


 二人はついに《星の神殿》へとたどり着いた。


 神殿は広大な湖の中心にそびえ立つように建てられていた。白く輝く石造りの建物は、まるで天空から降りてきたかのような神々しさを放っている。


 「……ここが、星の神殿」エリオスは呟いた。


 「すごい……まるで天上の世界みたい……」リナが息をのむ。


 神殿へ続く道は湖に架かる長い橋だった。エリオスたちは慎重に足を進め、ついに神殿の巨大な扉の前に立った。


 扉には古代の文字が刻まれており、その中心には星の欠片がぴったりとはまるくぼみがあった。


 エリオスはゆっくりと胸元の星の欠片を外し、扉のくぼみに押し当てた。


 ゴゴゴゴゴ……!


 神殿が鳴動し、扉がゆっくりと開いていく。その先には、星の光に満ちた神秘的な空間が広がっていた。


 「行こう……すべての答えが、ここにある」


 エリオスとリナは、ついに星の神殿の中へと足を踏み入れた――。

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