第22章:星の力の覚醒

 エリオスは剣を構え、目の前に現れた巨大な星の獣を睨みつけた。


 銀河の光をまとった獣は、まるで生きた星そのもの。無数の星屑がその身体を構成し、時折流れ星のように閃光が走る。その瞳は深い宇宙のように澄んでいたが、同時に試すような鋭さを持っていた。


 「エリオス……大丈夫?」リナが心配そうに後ろで声をかける。


 「……やるしかない」


 エリオスは剣を握る手に力を込め、星の欠片が胸元で淡く輝くのを感じながら、一歩前へ踏み出した。


 「試練の始まりだ!」


 旅人が叫んだ瞬間、星の獣が低く唸り、空間が震えた。


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星の戦い

 獣の身体が一瞬にして光となり、エリオスに向かって突進してきた。


 「くっ……!」


 エリオスは瞬時に横へ飛び、間一髪で避ける。しかし、星の獣が通り過ぎた場所には灼熱の星の軌跡が残り、空間が焼け焦げるように歪んでいた。


 「これが……星の力……!」


 驚く間もなく、星の獣はエリオスを追うように舞い上がり、空中で巨大な星の光弾を形成した。


 「エリオス、危ない!」リナが叫ぶ。


 ズゥン……!!


 光弾が放たれ、エリオスの周囲を焼き尽くすように爆発した。衝撃波が広がり、彼の身体は吹き飛ばされる。


 「ぐっ……!」


 地面に転がりながら、エリオスは必死に剣を支えに立ち上がる。胸元の星の欠片が、彼の体力をわずかに回復させるのを感じた。


 ――このままじゃ勝てない。


 エリオスは歯を食いしばり、星の欠片を強く握った。


 「力を貸してくれ……!」


 その瞬間――


 星の欠片が眩い光を放ち、エリオスの身体に流れ込むような感覚が広がった。


 「……!!」


 彼の剣が光り輝き、まるで夜空に瞬く星のように煌めいた。


 「これが……俺の力……!」


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覚醒する力

 星の欠片の力をまとったエリオスは、新たな感覚を覚えた。まるで身体が軽くなったような、そして、宇宙と一体化するような不思議な感覚――。


 彼は剣を振るい、その軌跡が光の刃となって星の獣に向かって放たれる。


 ザンッ!!


 光の刃が獣の身体を切り裂き、星の欠片が弾けるように輝いた。


 「ほう……覚醒したか」


 旅人が感心したように呟く。


 星の獣は低く唸りながら、最後の力を振り絞るように巨大な星の光を集めた。そのエネルギーは天をも貫くような光の柱となり、エリオスに襲いかかる。


 「負けるかよ……!」


 エリオスは全力で剣を振りかざし、星の欠片の力を解き放った。


 「星光斬!!」


 剣から放たれた眩い光が獣の攻撃と激突し、周囲が白く染まった――。


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試練の終焉

 光が収まったとき、星の獣の姿はすでになかった。


 エリオスはゆっくりと剣を下ろし、息を整えた。


 「……やったの?」リナが恐る恐る尋ねる。


 旅人は満足そうに頷いた。「お前は試練に打ち勝った。これで、お前は星の力の真の継承者となったのだ」


 その言葉とともに、エリオスの胸元の星の欠片が静かに輝きを増す。


 「星の継承者……」


 「そうだ。お前には星の王国の血が流れている。お前の父が果たせなかったことを、お前が成し遂げるのだ」


 エリオスは拳を握りしめ、決意を固めた。


 「……俺は、星の王国を取り戻す。そして、《闇の王》を倒す」


 旅人は微笑みながら、「ならば、次に向かうべき場所は分かっているな?」と尋ねた。


 「……《星の神殿》だな」


 「その通り。お前が真に覚醒するための最後の地だ」


 エリオスはリナと共に立ち上がり、改めて旅の続きを決意した。


 星の戦いは、まだ終わらない――。

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