第23話 伝えたいことがあるの
――あの事件があってから、1ヶ月近く経った。
オニキスはちゃんと捕まって、今ごろ刑務所にいることだろう。幾度となく集団で強盗をしていた時から、彼は指名手配されていたので、きっと罪は重い。
あとで知ったことだが、彼は真矢ちゃんに異様なまでの執着心を見せ、警察から逃げながらも真矢ちゃんの居場所を探っていたらしい。真矢ちゃんのどんなところを気に入っていたのかなんてわたしにはわからないけれど、そんな彼女を傷つけたことは絶対に許せない。
わたしと真矢ちゃんはあのあと入院することになり、傷の深かった真矢ちゃんは獣人種専門の、わたしとは別々の病院になった。専門家に見てもらえたことと、元々普通の人間より自然治癒力が強い獣人種であることもあってか、わたしよりも怪我していたはずの真矢ちゃんの方が先に退院したと聞いて、少しだけ驚いた。と同時に、心配もした。
本当に大丈夫なのだろうか? 完全に怪我は治ったのか、退院したあと無理していないか。
そんなことをお見舞いに来てくれた真矢ちゃんに言えば、
「あんたはなんでそんなに心配性なのよ。ほんとお節介」
「いたっ」
そう言われ、軽く頭にチョップされる。まだ入院中だと言うのに、ひどい。
そう。わたしは今現在も病院に入院している。けれど来週には退院できると言われた。
人生で初めての入院は心細くて寂しかったから、もうすぐ元の生活に戻れるんだと思うと嬉しい。
「……ひとつ聞きたいんだけど」
「うん?」
突然ワントーン低くなった彼女の声に、一瞬だけどきりとする。というか、さっきまで真矢ちゃんと一緒に来ていた沢谷さんと、ふたりが来るより前に来ていたお母さんが、楽しそうにお話ししながら出て行って(入院するにあたり事情を説明してくれた沢谷さんは、お母さといつの間にか仲良くなっていた。最初は内緒で探偵のアルバイトをしていたことを怒られると思っていたのに、全くそんなことはなくて、沢谷さんがうまく話をしてくれたようで正直ほっとした。)、真矢ちゃんとふたり
きりになった瞬間から、わたしの心臓は忙しなく動いている。
そりゃあそうだろう。だって好きな人と、真っ白なカーテンに仕切られた狭い空間でふたりきりなんだし。ドキドキくらいする。
そんなわたしのことなど気づいていない彼女は話し始める。
「その花、誰から?」
真矢ちゃんが指さしたのは、花瓶に入れられたピンク色の、可愛らしいガーベラの花たちだった。
「あ、それは美舞ちゃんから」
入院している間、両親よりもたくさん来てくれたのが美舞ちゃんだった。
部活がない日の放課後や休日には毎回来てくれて、とても嬉しかった。そのお花は初めてのお見舞いの時にくれたもので、それからずっと、そのお花たちを見れば心があったかくなって、優しい気持ちになれて、穏やかになれた。だから美舞ちゃんにはとても感謝している。
しかし真矢ちゃんはそれを見て顔を顰めて、「ふうん」、と面白くなさそうな声を出した。
「ったく、あいつ、学校であたしにマウントとってくるようになっちゃって」
「マウント……って、なんの?」
「中学時代ハム子との仲良しマウント。あたしも幼馴染マウントとってるけど」
「なにやってるのふたりとも……」
わたしがいない間になにをしてるんだろ……。というか、まだ仲良くはできないんだ……いや、仲良いのかな? 少なくとも少し前の、睨み合ったり激しく言い争いをするような感じではなくなったようだけれど。少しは良好な関係になりつつあるのだろうか。
……早く退院したいなぁ。わたしの知らないところで、真矢ちゃんの周りを取り巻く環境が変化していくの、なんとなく嫌だな。
なんて思って、なんだ、わたしもだいぶ嫉妬深いのかな、なんて恥ずかしくなってしまう。そんなことを思っていると、
「……」
「ま、真矢ちゃん?」
気づけば真矢ちゃんは、わたしのことをじっと見つめていた。翡翠色の瞳に見つめられると、顔に熱が集まってくるのを感じてしまう。
「真矢ちゃ――」
「あのね、あんたに言わなきゃいけないことがあるの」
真っ直ぐな瞳には見覚えがあった。事務所で『一緒に探偵をやらないか』と言われた時と同じ顔だ。何か大切なことを打ち明けるときの顔。わたしは病院のベッドに上半身を起こした状態で、自然と背筋が伸びる。
「な、なに?」
「……この前の話の続きなんだけど」
この前の、というのはきっとわたしがオニキスに連れ去られる前の、事務所でのあれのことだろう。つまり――
「……探偵をちゃんとした仕事にしたい……って話?」
そう問いかければコクリと頷かれる。いつかもう一度話す時が来るだろうと思っていたけれど、今、なんだ。もしかしたら沢谷さんがわたしのお母さんと病室の外に出て行ったのも、真矢ちゃんに頼まれてふたりきりの時間を作るためだったのかもしれない。
「……あたしは、まだ探偵をやりたいって思ってる」
「……」
目を見ればわかる。真矢ちゃんが自分の意思を曲げることはない。いつだって真矢ちゃんは真っ直ぐで、何か目標に向かって頑張ってる。それに比べてわたしはどうだろう。
探偵を始めたのはその場の空気に流されてで、真矢ちゃんと昔みたいに仲良くなれるかなって思ってなっただけだ。そんなわたしが彼女のしたいことにどうこう言える立場ではない。
「あのね、真矢ちゃん。わたし――」
「待って。先にあたしから言わせて」
わたしの言葉を遮るように真矢ちゃんが被せる。と同時に右手を握られて肩が跳ねた。
心臓の音がうるさい。うるさすぎて、繋がれてる手からその音が伝わっちゃうんじゃないかってくらいだ。しかしそんなわたしの心配に気づかない真矢ちゃんは、一層強く手を握る。
「……あたし、あんたに言ってなかったことがあるの」
「言ってないこと……?」
彼女は小さく息を吐いた。ほんの少しだけ緊張しているようで――って、一体なんで?
「あたしの言葉足らずで――ううん。あたしがあんたに素直になれなかったせいで、あんたを泣かせた。あたしがあんたと高校卒業したあと、一緒に探偵をやりたいって言った理由を、あたしは伝えられなかった」
わたしと一緒に探偵をやりたかった理由……? わたしが一緒だと都合が良かったからじゃないの? 今までの仕事が運良くうまくいったのが、わたしがいたからだと勘違いしてるからじゃ……。
「きっとあんたは、自分のことをこき使うために、都合がいい“助手“として手元に置いておきたかったからじゃ、なんて思ってんじゃない?」
「えっ……」
思わず声を漏らすわたしに、真矢ちゃんはやっぱりとでも言いたげに眉を顰めた。
「あたしがそんなこと思うわけないでしょ」
「じゃ、じゃあ、なんで……」
そう聞き返すと、彼女はなぜか照れ臭そうに、わたしの手を握っていない方の手で頬をかいた。ますますわけがわからなくなっているわたしに、「あ〜」とか「う〜」とか、呻き声のようなものを口にしてから、一度目を伏せ、またゆっくりと顔を上げてわたしと目を合わせる。
「あたしがあんなことをあんたに言った理由は、」
「うん」
「ただ、単純に――」
――――あんたのそばに、居たかったから
「…………へ?」
とても簡潔で、わかりやすい。けれど全く予想していなかった言葉に、脳がフリーズしてしまう。
そんなわたしになぜか怒ったような顔をする真矢ちゃん。気づけば頭には、すっかり見慣れた可愛らしいヒョウ耳が生えている。感情が荒ぶっている証拠だ。
「〜〜もう! そんまんまの意味ですけど!? っていうかなんでわかんないかな!」
「え、えぇ!?」
ものすごく八つ当たりな気がする!? 自分から話すって言っておいて!
っていうか、そんな声を荒げないでよ! ここ病院なのに!
口元に人差し指を押し当てれば、少しだけ声のトーンを下げてくれる。しかしまだヒョウのお耳がぴこぴこ揺れている。
「っ、てかあんた、あたしが言ったこと覚えてないの?」
「へ? 言ったことって?」
信じられないというような顔をされ、壮大なため息を吐かれた。
「もっかい言わせるつもり? ――――あたしは、もうあんたを手放さない」
「あ…………」
それは真矢ちゃんがわたしにネックレスをかけてくれた時――わたしが真矢ちゃんへの恋心を自覚したあの時に、わたしにかけてくれた言葉。
「……元々、あんたを探偵に誘ったのは、助手が欲しかったからでも、あんたが他の人にチクるかもしれないと思ったからでもない」
わたしは驚いて、目を見開く。今まで真矢ちゃんがわたしと一緒にいてくれるのは、口封じと探偵の仕事を円滑に進めるためだと思ってた。けれど、今思えば――あの言葉には、もっと違う意味が込められていたのかもしれない。
けれど、もしそうじゃないとしたら――ほんの少しだけ、期待してしまう。わたしの横にいてくれて、助け合ったり、口喧嘩したり、笑いあったりしてくれた、本当の、理由を。
「――あたしは、あんたとまた、親友になりたくて、探偵に誘った」
――夢かと思った。
まさか真矢ちゃんが、わたしと同じことを考えていたなんて。
「……あんたと別々になって、あたしはどんどん荒れてった。あたしの将来を勝手に決めようとする親も、あたしが獣人種だからって目に見えて避けてる連中も、大嫌いで――でも、あんたと高校で再会した」
わたしも、真矢ちゃんと再会した時のことは覚えてる。あの時の真矢ちゃんは見えない何かを睨みつけているような、今にも襲いかかってきそうな猛獣の目つきをしていた。もう、わたしの知ってる真矢ちゃんではないのかとも。わたしのことなんて、覚えていないと思った。
けれど真矢ちゃんと同じクラスになって、たまたま放課後、沢谷さんの探偵事務所に入っていくのを目撃して、彼女に言い寄られたとき、真矢ちゃんはわたしのことを覚えていてくれて。
それが、とても嬉しかった。
「あんたと再会して、思い出したの。あんたと一緒にいて楽しかった頃のこと。あたしを追って探偵事務所まで来たのには驚いたけど、あの時チャンスだと思った。あんたとの繋がりを、もう一度元通りにできるかもしれないって」
――だから、あんたとの繋がりを断たないために、これからも探偵として一緒にやっていきたいって、言ったの
そう言ってから真矢ちゃんは目を伏せた。言いたいことは全て言い切ったのか、小さく息を吐いてから。
わたしと真矢ちゃんは、ずっと同じことを考えていたんだ。また仲良くなりたい、昔みたいにって。
真矢ちゃんは握っていたわたしの手を離そうとした。しかしそれを引き止めるように握り直す。彼女はハッとしてわたしの顔をもう一度見た。今度はわたしが、真矢ちゃんに言わなければいけないことがある。
「ハム子?」
「真矢ちゃん、話してくれてありがとう……わたしも、言いたいことがあるんだけど、いいかな?」
コクリと頷く真矢ちゃんに、わたしはゆっくり深呼吸してから話し始めた。……心臓の音がより一層激しくなる。
けれど、言わなくちゃいけない。言うなら今だ。
「真矢ちゃん、あのね、わたしも……わたしも、真矢ちゃんに助手をやらないかって言われた時……真矢ちゃんと同じことを思ってた」
「同じこと……って」
「わたしも真矢ちゃんと昔みたいになりたかった。友達に戻りたかったの。だから、真矢ちゃんの助手になった」
真矢ちゃんが「へ、」と短い驚きの声を漏らした。わたしは「でもね、」と続ける。言いたいことは、これだけじゃないのだ。
「今はね、昔みたいに戻りたいって思ってるわけじゃないの」
「え?」
わたしがなりたいのは、真矢ちゃんの友達でも助手でもない。けれど、それを言ったら真矢ちゃんはどう思うのかがわからない。気持ち悪がられるかもしれないし、距離を置かれるかもしれない。
けれど、言いたかった。この気持ちを今伝えなくては、きっと一生言えないし、後悔する。――そんなのは、絶対に嫌だ。
手が震えてしまっている。それは真矢ちゃんにもきっと伝わっている。真矢ちゃんは無言でわたしのことを見つめていた。強く手を握り返しながら、わたしは裏返りそうになる声を必死に抑えて、けれどもはっきりと言葉を紡いだ。
「真矢ちゃん、わたしね」
――――真矢ちゃんが好き
一瞬、時が止まったような感覚がした。
真矢ちゃんにどう思われるのかわからなくて、怖い。思わず俯いてしまうと、「公子」と声をかけられる。
「……なんで泣いてんの」
「え……?」
目元に手をやればポロポロと手の甲と頬を伝って落ちていく雫。全然気づかなかった。なんで泣いているんだろう。自分でもわからないのに涙が止まってくれない。
何か言い訳したいのに、出てくる言葉は別のものだった。
「――っ、真矢ちゃんが好きなの。ごめんなさい」
抑えられなくて、真矢ちゃんの手を握り締めたまま、涙を流したまま声をあげる。
「ごめんなさい……ごめんなさ――」
「――なんで謝るの」
強めの口調でそう言われ、口をつぐむ。真矢ちゃんは眉を顰め、けれども怒っている様子はなく、どこか困ったような、少しだけ優しい表情をしている。
「公子が謝ることなんて、何もないじゃない。なんでそんなに謝ってるの」
「だ、って。困ってない? わたしが、こんなこと言って」
「困らせたくて言ったわけじゃないでしょ? それより謝られる方が困るんだけど」
ほんの少しだけ笑って、真矢ちゃんはそう答える。その真矢ちゃんの笑顔が、幼い頃の真矢ちゃんの笑顔に重なって、どきりとした。
「ねぇ……あんたのその好きって、ただ友達としてってわけじゃないのよね?」
「――っ」
もしかして伝わってなかったのだろうかと、また泣きそうになるも、頷く。すると真矢ちゃんは唇を噛み締めたかと思えば、急にわたしの頭を撫でた。
「そう……勇気を出して伝えてくれて、ありがとう」
それは優しい声色だった。その声がまた、昔の真矢ちゃんと重なって、今度は胸があったかくなる。
「……あたし、さっきも言ったけど、あんたと一緒にいたいって思ってる。……その言葉、もっと素直に受け取ってもらっても良かったんだけど?」
「へ?」
素直に……受け取って……あの言葉、を……。
わたしが思案しながら停止していると、彼女は「……この鈍感」とため息を吐いて、わたしの頭から手を退け、代わりにわたしの両頬を手で挟んで固定し顔を近づけた。突然のことに息を呑んだわたしを、至近距離で見つめてくる真矢ちゃんは、仄かに頬を赤らめながらコツンと額を合わせた。
「ま、まや、ちゃ――」
「――あたしも、あんたが好きよ。公子」
――少しだけ、声が震えていた。
夢みたいな言葉が聞こえてきて、思わず「……夢?」とつぶやく。すると苦笑した真矢ちゃんが「夢じゃないわよ」と両頬を引っ張ってきた。
「〜〜い、いひゃい!」
「――っふははは!」
パッと手を離したと同時に顔が離れていく。痛い、ということは夢じゃない、と再認識してから、先ほどの言葉を反芻させる。
「……ま、まやちゃん」
「うん」
「本当に? うそ、じゃない?」
「こんな時に嘘なんてつかないわよ。ばぁか」
「だって、こんなこと、ありえな――」
「公子」
また頭を撫でられて、びくりと肩が浮く。さっきまで笑ってたのに、真矢ちゃんは急に真剣な表情になった。
「あんた、今の言葉が嘘だと思うの? じゃあ聞くけど、あんたのさっき言った言葉は嘘だっての?」
「ち、違う! わたし、わたしは」
「じゃあなんであたしの言葉も信じられないの? だったら何度でも言うわ」
――あたしは、あんたが好き
じんわりとその言葉が、わたしの胸の奥に、体の中に滲んでいくような感覚がした。体温が上昇していくような感じ。意識がふわふわして、本当に夢心地で…………
「あーもう、なんでまた泣き始めるのよ……」
「う、うぅ……わかんない……」
「わかんないって……」
「でも、たぶん……うれしくて、う、うぅ……」
「も、もう……なんかこっちまで恥ずかしくなるんだから、やめてよね」
珍しく目に見えて照れ始める真矢ちゃんに、胸がきゅうっとなって、わたしも顔が熱くなるのを感じた。それは初めて真矢ちゃんに対しての恋心を自覚したあの日と同じで、もしかして真矢ちゃんも同じ気持ちになってくれてるのかな、なんて思ってしまった。
真矢ちゃんはふっと微笑む。
「……で、それを踏まえて、もう一度聞きたいの。あたしは探偵の仕事も好き。あんたも好き。あんたと一緒にこういうことを続けていけたらあたしはいいなって思うの。これは本当に身勝手なことだけど」
だけど、と彼女は続けて言った。
「それでも、あたしはあんたとこれからも探偵をやっていきたい」
前にも聞いたその言葉。あの時は素直になれなかったけれど、今なら言える。わたしは……わたしは――
「――わたしも、真矢ちゃんと探偵、続けたい」
……真矢ちゃんが、初めて、泣きそうな顔をした。
「……本当に?」
「うん。わたしも本当はこう言いたかったの。でも、探偵って安定しないし、大変だから……でもそれって真矢ちゃんのお母さんやお父さんと同じで、真矢ちゃんのやりたいことを否定しちゃってたんだよね」
ごめんね、と言えば首を横に振られた。それと同時に頭から生えてる可愛らしいヒョウ耳も一緒に揺れる。
「でも……もう1回ちゃんと話そう? わたしとも、沢谷さんとも……真矢ちゃんのご両親にも」
「うっ……」
居心地悪そうに顔を顰めれば、お耳の先もぺたんと下を向く。でもこういうところはちゃんとしなくちゃいけないし。というか進路については沢谷さんに話してるって言ってたけどそれも本当なのだろうか? そもそも探偵ってどうやって正式になれるものなのかもわかってない。問題は山積みだ。
…………けれど、
「でも……それはあとでいいかな」
「ん?」
だって……せっかく両思いだって、わかったんだもん。
「ね、ねぇ、真矢ちゃん……いつからわたしのこと、好きになったのかとか、教えてくれないかな……わたしもちゃんと話すから……」
そう控えめに言えば、真矢ちゃんの顔はあっという間に赤くなる。
叶わないと決めつけていた恋が成就するなんて、奇跡みたいで。だからまだ実感が湧かなくてふわふわしてるから……真矢ちゃんに現実なんだよって、教えて欲しかった。
これから先のことはどうなるかわからないし、不安も課題もあるけれど、それでも今は、真矢ちゃんとお揃いのこの想いを、伝え合いたいから。
――――これからもどうぞよろしくね、真矢ちゃん。
⭐︎
今日のことは大切に覚えておくため、ちゃんと日記に書いておこう。
わたしの日記はいつの間にか、探偵の仕事の話でいっぱいになっていた。
この中に詰まった思い出の数はたくさんだけど――それよりももっと、これからも、真矢ちゃんとの思い出を、作っていきたいな。
ハム子の獣人種事件日記 宮鴎羽海 @uminekomyao
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