第12話 終わりなき道

王宮での政策提言から数日後、無道は貧民街の現状を目の当たりにし、社会問題への関心を深めていた。セレネとの議論を通して、政治の仕組みや社会問題の複雑さを理解し、現実の政治は理想通りに進まないことを知り、現実と向き合う覚悟を持つ。


「俺は、もっと勉強しなければならない。そして、いつか、この国を変える政治家になる。」

無道は、心の中でそう誓う。


その夜、無道は貧民街の集会に参加した。住民たちは、今後の生活について話し合っていた。


「私たちは、ただ待っているだけではダメだ。自分たちの手で、何かをしなければ。」

無道は、住民たちに呼びかける。


「でも、どうすればいいんだ?」

住民の一人が、不安そうに尋ねる。


「まずは、自分たちの代表を選び、意見をまとめる必要がある。そして、王宮に直接交渉に行くんだ。」

無道は、力強く答える。


住民たちは、無道の言葉に希望を見出し、彼をリーダーとして選んだ。


「無道さん、私たちを頼みます。」

住民たちは、口々に言った。


「任せてください。必ず、皆さんを救います。」

無道は、力強く答える。


一方、セレネは、無道と共に貧民街を訪れ、住民たちの話を聞いていた。人間界に降りてきた当初は、人間を客観的に観察する存在だったが、無道や貧民街の人々との交流を通して、人間の感情や苦悩を深く理解し、共感するようになっていた。


「セレネ様、ありがとうございます。あなたのおかげで、私たちは希望を持つことができました。」

住民の一人が、感謝の言葉を述べた。


「いえ、私は何もしていません。無道さんが、皆さんを救ったのです。」

セレネは、謙虚に答える。


人間界での経験を通して、セレネは自身の神としての力の意味や責任を再認識していた。人間のために力を使うことの意義や難しさを知り、神としての役割について深く考えるようになっていた。


(私は、無道と共に、この国の人々を救いたい。そして、人間と神が共に生きる、より良い世界を創造したい。)

セレネは、心の中でそう誓う。


その夜、夜空を見上げながら、セレネは慈愛に満ちた声で無道に語りかけた。


「無道、あなたと共に歩むことで、私は人間について、多くのことを学びました。そして、人間を愛することを、思い出しました。」

セレネは、微笑みながら言った。

挿絵(By みてみん)


「セレネ様…。」

無道は、セレネの言葉に感動した。


「ありがとう、無道。あなたのおかげで、私は変わることができました。」

セレネは、無道の手にそっと触れた。


「セレネ様…。」

無道は、セレネの手を握り返した。

二人は、互いに信頼し、支え合うパートナーとなった。そして、共に、より良い社会を目指して歩むことを決意した。


「私達は、これからも、二人で力を合わせ、この国の人々を救いましょう。そして、共に、誰もが安心して暮らせる世界を創造しましょう。」

セレネは、未来を見据えて言った。


「はい、セレネ様。俺たちは、きっと、それを実現できる。」

無道は、力強く答えた。


二人は、手を取り合い、希望に満ちた未来へと歩み出した。彼らの瞳には、輝かしい未来が映し出されていた。

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女神と政治初心者・異世界政治レッスン @mudotetu

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