私はキセキを信じない

@miponta

第1話 違和感

私はどこにでもいる平凡な中学1年生の遥。これは私が体験したことの記録だ。いつか、××が戻る時のために…


〜10月14日〜

私ははっきり言って今日は体調が悪い。朝から頭が重いし、なんならふらついている。けれど学校を休んで過保護な両親に心配させるよりはましだった。

けれどこの選択が私の人生を大きく変えることになるとは誰も知らなかった。

今日は弟の命日だ。まだ物心もついていない時に、信号無視した車に轢かれて亡くなった。友人はこのことを知っているがためか、いつもは執拗に遊びに誘うが今日はよそよそしい。私は体調が悪く不機嫌だったため好都合だった。けれど問題はその跡だった。家に帰ると熱までで始めたため、さすがに両親に報告すると予想通り、すぐ病院につれて行かされた。弟が死んでからというものずっとこうだ。私は検査を受けると思ったよりまずい状態らしい。私は自覚もないまま、検査入院を余儀なくされ皆勤賞は諦めるしかなくなった。両親はとても心配していたが、命に関わるものではないと言われ安心て生活用品を置いて帰った。


〜10月15日〜

朝起きたのは九時だった。いつも通りの時間に起きれたことに満足していたがやはりだるさは続いていた。私は学校の課題を進め、本を読んでいると看護師が部屋にやってきた。どうやら点滴をするらしい。正直そんなに重症なのか?などと思いつつも点滴を受けると、廊下に見覚えのある顔が通り過ぎたように見えた。

けれどすぐさま看護師が話しかけてきたため、気にする暇はなかった。

点滴が終わり、廊下をうろうろしているとさっき見かけた見覚えのある後ろ姿を見つけた。背の高いすらっとした青年だ。私はすぐに確信した。その少年とは、クラスでは勉強もできて運動もできる、なおかつ優しすぎる!と女子内で話題の私の友人だった。「××君、何か具合でも悪いの?大丈夫?」と後ろから声をかけた。すると××君は驚いたように振り返った。その目はどことなく怯えていたがすぐにいつもの優しい目に戻った。「北村さんかぁ、びっくりした。俺は大したことはないけど、北村さんは?顔色悪いけど…」そう言ってカバンの紐を握る。

私はやっぱり優しい子だなって思った。私はなぜこうなったか説明しようとしたら、××君のお母さんがやってきて、帰ろうと言った。私はまた連絡するとだけ言ってその場を離れた。いい予感がしなかった。××君は嘘をつく時に何かを握りしめる癖があるからだ…

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