本作はデリカテッセン38さんの創作遍歴を記した作品です。
同時に作者が創作を行う動機。
生活の中での創作活動の位置づけをも記しています。
多くの人には、好きな物語があります。
好きな物語を持つ幾人かは、自分でも物語を書きはじめることでしょう。
そして書かれた物語の幾つかは、誰かに好かれる作品となるのです。
〝読んでいただけるのが嬉しいから、そうして、自分で読み返しても楽しいから、書いています〟
デリカテッセン38さんは、そう記します。
物語はどこかで、誰かが作ります。
絶えることなく続くのです。
絶えることなく続く人たちの営みや状況は、やがて文化となるのです。
気負って考えるのなら、物語を読むことや書くこと。
それは物語という文化に参加することです。
文化にかかわらなくても、楽しく暮らせる者は多くいることでしょう。
なのに物語を読んだり、書いたりする人は必ずいます。
物語が必要な者は必ずいるのです。
デリカテッセン38さんが二次創作に関わるエッセイを読んで書かれた本作。
この作品は、私の心を動かしました。
きっと、どなたかの心も揺らすことでしょう。
そうなって欲しいと、私は思っています。