第10話
人生における目標を達成するには、まず自分と約束しなければならない。
私はこれまで出来もしないことを自分と約束し、挫折してきた。
そして、途中で投げ出した。
中学・高校時代は1日に十何時間も勉強するような計画を立て、結局勉強しないことが多かった。
マスコミは私が入ることを望んでいるところではあったが、どこか息苦しい世界だと感じていた。
マスコミには絶対に向かないのに、それを直視して来なかった。
大学も途中で辞めた。
自分で自分を裏切り続けた。
真面目で責任感が強そうなふりをしながら、結局私は誰よりも無責任だったのだ。
その付けが回ってきたのだ。
だから、何をしようとしても決意が伴わないのだ。
何を仕事にするかさえ決まれば、アルバイトを辞めてちゃんとした仕事に就ける。
それなのに、自分で決めることが出来ない。
だから、ずっと今の職場に居るしかない。
針のむしろに座っているかのような気分で働かなくてはならない。
「私は自分で自分の生きる道を切り開くことが出来ない。」
私はすっかり無力感に支配された。
家に帰ってからは、職場でのストレス・押さえ切れない不快感を両親にぶつけた。
自分がこうなったのは親の育て方が悪いからだとしつこく責めた。
いわゆる八つ当たりだ。
思ってみれば、編集長に恫喝されから、私の人生はろくなことがない。
学生時代、たまに付けていた日記にある日、半ばやけくそでこんな川柳を書いた。
「よく落ちる 我が人生の カーブかな」
野球の変化球、カーブは横に曲がると思われがちだが、実際には縦方向に落ちるものが多い。
それと同じで、私の人生も落ちる一方だ。
あの日以来。
会社に出勤する度、息苦しさを感じるようになっていた。
ある日会社に着くと、気持ち悪くなって入り口の前でふさぎこんでしまった。
会社の人に連れられて病院へ行った。
色んな検査を受けた。
その結果、悪い所は特に無いが、精神的なものが原因で色んな症状が出てくるのだった。
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