S級ハンターである幼馴染の能力を得て、アイツの隣に立てる男になるつもりだったのですが、いつの間にか世界最強になってました。

第2話 妹の思い

『こんにちは、ハヤセレイさま。特性開花の時間です』

朝起きると、目の前に半透明な画面が映し出され、困惑する

「なんだよこれ…」

ただ状況を飲み込めずにいると、画面がすぐ動き始めた

『…それでは、特性を利用してこれからの限りある人生を楽しんでください』

目の前の視界がぼやけてくる。

「ちょっとまって」と言いたかったがそんな望みも叶わぬまま、その前に意識を失ってしまった……

＊　＊　＊

–10時間前–

「最近、お兄ちゃんの様子がおかしいな〜」

自室にベットに横たわり、大きなため息をつく。

妹として15年間生きてきたが、さっきのお兄の動揺はいままで見たことなかった。いままで見たことない表情をしていて、自分でも同情してしまうくらい迫力(?)があった。

そんなお兄を慰めたくて、いやそんな私の大好きなお兄の悲しい顔が見たくなくて口走って自分の本音を言って、早々と部屋を出た。

それから数十分経って、さっきの言動は正しかったのか思うところがある。

私が言った、『今から変えられること』ってなんだろう？

容姿、性格、学力

いいや、零ちゃんの隣に立つにはそんなことちっぽけなもの。

本当は『今から変えられること』なんて存在しないのだ。

彼女の隣に立つには強さが必要であり、［どうしようもできないこと］であるとあの時私は気づいてなかったのだ。

数百年なら、自主的な運動で筋肉、体力をつけて、強さを身につけれていたかもしれないが、今は才能開花が体に起きないと、魔法や剣術などの強さに直結する技術が手に入らない。

しかも才能開花は10歳前後に起きやすいとされ、お兄ちゃんにはチャンスがほぼないに等しい。

私は、見当違いなことを兄に言ってしまった。

「……お兄…」

ベッドの上で寝そべりながら、また大きなため息をつく。

「もういいや、寝よう」

時刻は21:30

早瀬一花（はやせいちか）は嫌な気持ちを払拭するため、聖夜に早めの休息に入った。

明日、兄の身に何が起こるのか知らずに。

＊　＊　＊

12月25日

時刻は9：00を過ぎた頃

「あら今日は零起きてくるの遅いわね」

冬休みに入り、いつもだと8：00には起きてくるお兄が珍しくこの時間まで1階に降りて来てない。そのことを母は少し気にしていた。

お兄、昨日は遅かったのか。

もしかしたら私のせいで……

「一花、零を起こしてきてくれるのお願いできる？」

9:30になる頃、流石のお母さんさんも痺れを切らして起こしてくれと懇願してきた。

お兄は高校3年生、受験生だ。今、生活リズムが狂ったら受験に支障をきたすだろう。

私はお兄への申し訳なさも相まって、母に返事をし2階のお兄の部屋へ向かった。

***

「えっ………」

お兄の部屋の前で何度も声をかけたものの返事が来ず、兄の部屋へ入ると衝撃な光景が視界に入ってきた。

ピカピカ…

ベッドに横たわっているお兄から純白の光が発せられていたのだ、