第13話 鍛治師の青年

 伝説の武器職人を探して数時間、情報収集をしながらその人を探すが、全く合う内容の物がない。

ある人は、〔その人は大柄で見ればオーラですぐ分かる。〕だとか、またある人は、〔その人は女性で、褐色の肌を持った人だった。〕とか、情報の関係性が全くないものが多かった。

「なぁ、よっさん、これ、見つかると思うか?」

竜也たつやがよしに不安げに尋ねた。

「今の感じだと見つかんないッス。まきさんやけんちゃんたちの集めた情報と合わせて、一番多いやつをヒントに探すとかしか今は出来ないしッスね。」

ため息をつきながらそう言うよしが、竜也はなんだか誇りに思えた。

「さすが、相棒だな!よぉし!昼飯食って、作業再開だ!昼は全員で一緒に食べて、そん時に情報共有しよう!」

よしは、こうして誰かのために頑張る竜也を誇りに思った。しかし、そんな相棒の様子にほんの少し、違和感を感じていた。


「なるほど、じゃぁどこも関係しそうな情報はなかったんだンな?」

「いや食いながらしゃべるなよ。」

竜也にけんが注意をする。そこで何かに気づいた羽奏わかなとまきが声を上げた。

「「これって、3通りに分かれない?!」」

「やんね!」「だよね!」

2人だけで理解しているのを横目に見ながら、羽奏がまとめていたメモをもう一度見直す。しばらくして、エリナがあっと、声を上げた。

「なるほど、そういうことですか。」

女子組が何を理解したのか分からなかった竜也は、首をかしげた。その様子を見かねた羽奏がメモを細かく切り始めた。

「いい?1つ目は、これとこれとこれ、青年でめちゃ大人っぽい。2つ目は、こうして、褐色肌の人。3つ目は、凄腕過ぎてオーラで分かる。」

「他のは?」

「はぁ、それぞれのとこで、似た情報がこんなに集まってて、共通性のない情報をまとめる必要ある?」

なるほどっと、竜也は手をポンッとたたいた。

「で、どうすればいいんだ?」

ここまで来て理解の出来ていない竜也に皆、あきれてしまった。羽奏はもう一度説明する。

「おい、いいか?3つ目のやつはあんまり当てにはならないけど、残りの2つに当てはまる人をギルド内から探せばいいんだよ。少しは頭使え?」

少し考えた後、竜也は再度手をポンッとたたいた。

「それでは、お昼の後は、この条件に当てはまる方を探しましょう。念のため、範囲を広げて、ペアではなく、個人で探した方がいいでしょうか。」

エリナの提案に5人はうなずいた。


 少し長めに休憩を取って、また、武器職人探しが始まった。午前中と同じようにそう簡単に見つかるわけもなく、地道に情報を集めるのが最善だった。

「ぬぁーーー!見つかんねーーーー!」

竜也が声を張って言う。

「これ、ホントにいるのかよ。俺らが探してて、この広い敷地を、6人で、なのに見つからねぇじゃねぇか!どこだよー!伝説の武器職にーーーん!」

大声でそんなことを言うもんだから、皆、竜也の方を見た。恥ずかしくなった竜也は、小声で謝った。そんな竜也の前に、人年齢でみて7歳くらいの少年が現れた。

「君、どうかしたのか?」

「い、いやぁ、人を探してるんだけど、全然見つからなくて、、、」

初対面の相手にそう言われて、竜也は戸惑ったが、竜也は答えた。その様子を見た少年はニタッと笑った。

「じゃあ、ぼくも手伝うよ。ここのギルドの地図は頭に入ってるから。」

竜也は少年と一緒に武器職人を探すことにした。少年の名前はカイ、魔族で、エルフと同じように年齢にあった姿にはならないらしい。見た目よりも大人な話し方をするカイに、竜也は常に違和感を感じながら、人探しを続けた。

「っどこにいるんだよーー!伝説の武器職人はーー!見つかんねーじゃねえか!」

「、、、」

「カイ、どうした?」

考え込んでいるカイに竜也は話しかけた。

「ちょっとさ、竜也の仲間?に会わせてくれないか。」

「なんで?」

「ちょっと話したいことがある。」

「?」

カイの考えていることはイマイチ分からないが、竜也は皆と合流し、カイと会わせることにした。


 羽奏が最後に来て、それを確認した後、カイが口を開いた。

「えっとーー、皆さんこんにちは。カイと申します。鍛冶師、そして、皆さんが探してる伝説の武器職人です。」

全員の息が止まる。始めに口を開いたのは、竜也だった。

「カイ?頭でも打ったか?お前の姿、俺らがまとめた武器職人の姿と違うんだけど?褐色の肌で、男ってこと以外、何も合わないんだけど?」

「おっと、この姿だと分かりづらかったね。少し待ってくれ、、、」

カイはそう言うと呪文を唱えた。

        “チェンジ”

彼は光に包まれ、スラッとした男性の姿に変わっていた。

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