いたずら好きの妖精
矢斗刃
いたずら好きな妖精
最近巷では怪奇現象が起こると噂話がある。
ネットにはその場に居合わせた人たちの書き込みがあり、嘘だろとフェイクニュースだと大概の人が思っている。それはネットに対して真偽を確かめるすべがないからだろう。
しかしその怪奇現象に合う人々が日々増えているような気がしてならない。
小さなものでいうと自分の財布が空を飛んでいて、それを掴もうとしたけどそれを掴めずに空高く飛んでいく財布を追いかけて必死に走ったとか、ナンパに会っている女の子が怯えていると、ナンパしている男の上にタライが落ちてきて男が気絶してその隙に逃げられたとか、急に赤ちゃんが流暢に喋りだし、その場にいた人たちがこの子は天才何じゃないだろうか!と驚愕したとか。
数え切れないほどの小さなことが起こっている。
そしてUMAがいたとかで妖精のような写真がネットでは現れ始めた。
そしてネットのオタクたちは口を揃えてこう言ったという。
〝めっちゃ可愛い〟
〝惚れてまう〟とか概ねその妖精を褒め称えるネット民で溢れかえっている。
〝中にはこれは合成だ!〟と騒ぎ立てているものもいるが一種の熱狂的な小さな妖精のコメントに埋もれて行くのが関の山だった。
「ふはは、いいぞこの妖精のメルル様を可愛がるのだー!」と何処かの部屋に侵入してパソコンを自由自在に使う妖精がいる。
何を隠そう巷で騒ぎになっている騒動はこの私メルル様が起こしたことなのだ。
「わはは、今度は何をしてやろうかな〜むにゃむにゃ。」と考えながら寝る。
そして翌日。
「今日も元気に街の中を闊歩するのだー!」腰に手を当てながら宣言する。
「なにか言い方が違うな。かっ飛びするとかなのかな〜?それとも飛んで火に入る妖精とかだったかな〜?」考え込みながら街の中を行く。
飲食店に入って唐辛子をすべて入れるという行為をした。
「ぐひひ。」ニヤニヤしたきっとコイツはカレーとか言うはず。その面白い顔が私にとってはご馳走なのよ〜!と思って見てみるとメッチャクチャ我慢して食べているではないか!
思わず妖精のメルルは拳を握りながら、熱くなる。
「フレーフレー!」と応援しだす。
「ふー完食だぜ。」全妖精たちが涙したね。
「私のいたずらにめげずにうち勝つなんて・・・お主もわるよのう!」と何処か違う言葉を男にかけるのだった。
さらに少し坂の街中を滑空していると。
「いてぇ。」と前方不注意でなにかにぶつかる。
そこには大きな熊?がいた。
「おおやるのか受けて立っちゃるぞ!モンスター目!ぶるぶる。別に怖くなんかないんだからね!」震えながらもペチペチキックや連打パンチをお見舞いする。
「フッ私の力に恐怖して言葉も出ないか。さぁ転げ回って私にぶつかったことを謝るのだー!」反撃をしてこないので調子に乗るメルル。最後の蹴りを放って転ばすとその上に立ってビクトリーのポーズをする。
しかしその瞬間動き出す熊?がゴロゴロと坂を下るように転げだす。
「えっえええええええ。」と大きな声を出して熊の上を走りながら坂をものすごいスピードで下っていくメルル。
街中の人たちが熊の人形がものすごい勢いで転がってくることに驚き、熊の人形から発せられる奇声がたくさんの人たちに聞かれたりしていた。
そして行き止まりにぶつかって熊は止まり私メルル何処かに飛んでいく。
「はぁーはぁーひどい目に会った。私がいたずらを仕掛けないと行けないのに私がいたずらに会ってどうするのよ!」自分に対してそんなツッコミを入れていた。
「全くひどい目にあった。」
「がぶ。」
「へっ?」と思ったら周りが暗いしなんだかベトベトする。
「なにこれ?なにこれ?」と戸惑う。
「ぷへ。」なにかから吐き出される。
「もう全く、なんなのよ!」と文句を言ってそこを見上げると、大きな毛むくじゃらな猫がいる。
目が合う。
「それじゃあ!」と手を振って飛び上がって逃げようとする。
しかしそれを追いかけてくる猫の警察官。
「ぎゃーメルル何も悪い子としてないのに!」余り高く飛べないメルルを大ジャンプで掴もうとする猫をどうにか交わしながら逃げているのだが、一匹だった猫が二匹と増え、更にとドンドンと増えていく猫たちが街の中心街を駆け回る。
「なんだなんだ!」人間達が騒ぎ立てる。
「もう、こんな時に役立たずね!この妖精のメルルのようなアイドルが追っかけから逃げているのに、こういうときは肉壁として妨げるのがあなた達の役目でしょ!」そんな言葉が人間たちにはとどかない。
「もう、私はいたずらがしたいのにどうしてこんなことになっているの〜!」と人間達には聞こえない私の叫び声だった。
次の日新聞の一面で猫暴走か!?と大きく取り上げられるのはこの国が平和だからかもしれない。
そして今日もメルルのいたずらは続く、いつまでも続いていくはずだった。
いたずら好きの妖精 矢斗刃 @ini84dco5lob
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