魔法が絶対的な世界で銃で戦います。~生まれつき魔法が使えなくても銃もあるなら銃で最強になればいいじゃないか~
第52話 魔導大祭5 シルヴァス・ナイトシェードVSサフィア・フレアグレイシス2[魔導大祭編]
第52話 魔導大祭5 シルヴァス・ナイトシェードVSサフィア・フレアグレイシス2[魔導大祭編]
サフィアは、
「アイスフレア・セレストフロスト!」と唱えた。
アズリナが興奮気味に言った。
「すごい、すごいよ! サフィア・フレアグレイシスちゃん! 光る霧のような美しい魔法を使うね。それに、動きがさっきより早くなってる!」
観客の一人も続けた。
「おいおい、回復魔法も使うのかよ。混合魔法も使い、回復魔法も使うなんて、なんてやつだ!」
と興奮を抑えきれず叫び声で言った。
サフィアは
「私だってやるでしょ。毒だけの男に負けてられないわ。」
と、自信満々の表情で返した。
「言ってくれるじゃねぇか。でも、この毒は治癒してもしばらく続くぜ。」
とシルヴァスが苛立ちながら吐き捨てた。
「私のこの魔法も発動後に効果が持続するけど、大丈夫かしら?」
とサフィアが挑発すると、観客席から「おー、いいぞ、いいぞー!」と声が聞こえた。
「やるじゃん、あの子! 私も興奮してきてるぞおお!」
とメドルナが鼻息を荒くして身を乗り出し、アズリナが「メドルナ姉様、落ち着いて」と宥める言葉を言うも、メドルナの興奮は止まらない。
「うぜぇ女だぜ。その生意気な口、毒で永久に黙らせてやる!」
とシルヴァスが叫んだ。
そして、シルヴァスは、
「ヴェノム・ネザーレイン・オーバーロード!」と叫ぶと、
雲行きが怪しくなり、試合場だけで毒の雨が降り注ぎ、毒の水が溜まって沼と化した。
「さっきとは比べ物にならない量だよ。それに、もしかしたら毒の魔力も上がってるんじゃない?」
と姉が驚く。
光る霧のような魔法は消え去った。
「さあ、どうする? サフィア・フレアグレイシス」とシルヴァスが嘲笑した。
観客も固唾を飲んでいる。
一人の観客が続けた。
「さあ、どうする? サフィア・フレアグレイシスちゃん!」
その緊張とは裏腹に、サフィアの体を毒が蝕む。だが、サフィアは抗う。回復魔法を試し、氷魔法で氷の地面を作る。これで何とか毒の沼から脱出できたようだ。だが、毒は徐々に体に広がり、毒の雨もスコールのように降り注ぐ。
サフィアは、
「まだ終わらない、終わらせない!!」
と叫んだ。
その間も毒が体内を侵しているはずだが、毒に耐えながら数十秒の詠唱を続ける。回復魔法の効果で多少毒は和らいでいるようだが、シルヴァスの毒魔法の魔力がサフィアの回復魔法を上回っているため、毒が全身に広がっている。
数十秒の詠唱の後、
「フロストブレーズ・ステラユニコーン!」と唱え、氷の角を持ち、炎のたてがみを持つユニコーンが現れた。
「召喚魔物まで氷と炎の属性をまとってるなんて、初めて見た!」と観客が驚く。
「召喚魔物が複数属性なんて聞いたことないわ。これは期待してもいいのかな?」と別の観客も驚いていた。
「これが私の召喚魔法よ。どう?」とサフィアが自信満々に言う。
シルヴァスは無言で「それがどうした」という顔を見せる。
「余裕だね。でも、君は私の召喚獣を侮らない方がいいよ。」とサフィアが穏やかな口調で微笑んだ。
召喚された氷と炎のユニコーンは、無詠唱で「ヘルテンペスト」を発動させる。地面から巨大な炎の柱が噴き出し、天を突き、暗い雲から雷鳴が響き、地獄の業火が天から降り注ぐ。
「おい、あの複属性のユニコーン、ヘルテンペストを無詠唱で複数回発動してる! こりゃ、シルヴァスにも大ダメージを与えるだろう!」
と観客が驚く。
ラミッサも続けた。
「ユニコーン、めっちゃ美しい! サフィアちゃんも美しいよ!」とテンション高く叫ぶ。
姉が身を乗り出す。
「複数のヘルテンペストなんて初めて見た! すごい迫力だよ、これ!」
メドルナは興奮した様子で、
「これだ! これだ!炎だーーー!」
と続ける。
防御魔法はしてるが、さすがのシルヴァスもヘルテンペストを食らい
「なかなかやるじゃねぇか。俺にこんな傷を負わせるとはな。」
と傷を気にしながら笑った。
サフィアは
「まだまだ終わりじゃないよ。」と
言い、ユニコーンが動くたびに爆炎と冷風を生み出す。
ルビルナが言った。
「セレナのストーム・トランセンダントの氷と火バージョンか。やるな、サフィア!」と褒めつつ、
「これはサフィアの勝ちだな」
と満足げに笑った。
シルヴァスは笑う余裕がなくなり、防御魔法を複数展開するが、シールドにガラスにひびが入るようにシールドにヒビが徐々に増え、すべてのシールドが砕け散り、ヘルテンペストを直に複数食らったところでサフィアが
「無名だと侮ったね。」
と言い、シルヴァスは力尽きて倒れた。
「勝者、サフィア・フレアグレイシス!」と実況が叫んだ。そして、会場からは歓声が上がった。
サフィアはシルヴァスに、
「あなたも強かったよ。お疲れさま」と手を差し伸べたが、シルヴァスは手を振りほどき、ぶつぶつ呟きながら会場を後にした。
セレナちゃんが、
「サフィアちゃんの召喚魔法、すごかった! ユニコーン、美しくてサフィアちゃんみたいだったよ!」と興奮して言う。
そして、観客席からサフィアコールが鳴り響いてるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます