第45話 再び遺跡に向かう7 めーちゃんと女神像の秘密[大東遺跡編]
俺は落とし穴を開けることにした。そして、その後は男性像だけを狙って攻撃する。異世界じゃ落とし穴は反則と言われるかもしれないけど、「勝てばいい、勝てば!」の精神でやってるから、問題ないと思った。とりあえず、俺のエクスプロージョン弾(強)をこめ、草銃を撃ってみることにした。さらに、姉貴のコロナ・バーストで太陽コロナのような爆発を起こし、セレナちゃんのガスト・バーストで爆風を巻き起こす。ラミッサのパンテラ・クロウで風を鷹の爪のように凝縮して圧力をかけ、アズリナ、ルビルナ、メドルナのインフィニット・エンバーで無限に燃え続ける炎を放ち、概念すら焼き尽くす。地面をこんな強力な魔力の炎で焼き尽くすなんて、あの三姉妹にしかできない発想だ…。なんてすごいんだ…!
みんなの攻撃が見事に当たり、敵の前に落とし穴を完璧に作れた。いい具合に魔物が全員下に落ちた! けど、どうやら次の階層じゃないみたいだ。下の階層に行くには、もう少し穴を深くしないといけないのか? まあ、今の我々の戦力では、この方法で下の階層に行くのは無理だろう…。
女神像は強力な魔物だから、エクスプロージョン弾(強)のような強力弾なら、男性像だけを簡単に一掃できるはず。そう考えて、俺は草銃にエクスプロージョン弾を込め、ファイア魔法も追加で注入。これで超強力なエクスプロージョン弾丸が撃てる! 落とし穴に向かってバンバン撃ちまくった。8発撃ったところで、男性像は全員一掃できた。幸い、女神像は1体も倒れていない。すると、次の階層への階段が開かれた!
アズリナたちが「ご主人様、かっこいいー!」と叫んでるのを聞いて、ちょっと浮かれてたら、なんか声が聞こえてきた。女神像がしゃべってるみたいだ。
「女神像の魔物って、知性が高いのか?」と思ってたら、突然、女神像が飛び上がって俺たちの元に飛んできた。
「君たち、よくこの階層をクリアしたな! 私はもう死んでるけど、魔力のおかげで話せるようになってるんだ。そう、私がこの遺跡を作った張本人だ。ここまで来たなら、遺跡の最深部まで案内してやろう。その代わり、地上に出してほしい。どうだ?」
「みんなどうする?」
と俺が聞くと、ラミッサが
「旦那様のお嫁候補がこれ以上増えるのは嫌だから反対!」
と言い出した。アズリナも似たようなことを言い、姉貴も「同じよ」と同調。
すると、女神像が
「地上に出たら、私は自由に動くから心配しないでくれ」
と答えた。
「なら、まあいいか」と3人がしぶしぶ納得した。
ふと思った。最深部まで行けば、普通に地上に出られるんじゃないの?
「ところで、最深部に行けば、地上に自然に出られるんじゃないんですか?」と聞いてみた。
すると、女神像は少しバツが悪そうに答えた。
「それがな、作ったときにそういう設定にしたかどうか、忘れてしまって…。念のためだよ、念のため!」
なるほど…頭はいいんだろうけど、詰めが甘かったり、抜けてるところがあるのかな…。
「あと、女神像さんは魔物なんですか?」とさらに聞いてみた。
「実は…私は死んでいて、死んでいない!」
「どういうこと!?」と、みんなの声がハモった。
「実は、この石像のような魔物に私の脳を移植してるんだ。私の肉体は死んでるけど、脳は生きてる。どうしても日本に帰りたいんだよ」
なるほど…ってことは、この人も日本からこの異世界に来たのか!
俺は女神像の耳元でそっと囁いた。
「俺とこのエルフの子も、日本からこの世界に来てるんです。でも、この話は内緒でお願いします」
女神像も同じように囁き返してきた。
「わかった、黙っておくよ。私はこの世界を研究しててな。遺跡を出た後も、たまに会って話したいな」
「わかりました。じゃあ、遺跡の案内をお願いします」
「ってことで、この少年が承諾してくれた! 遺跡の最深部まで案内するよ。ちなみに、私の名前は秘密だけど、女神像だから『めーちゃん』って呼んでくれ」
「め、めーちゃん!?」
と、みんなの声がまたハモった。
こうして、遺跡を作った張本人であり、死んでいて死んでいない女神像、めーちゃんが仲間になった!
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