第46話 再び遺跡に向かう8 唾液の魔法と誘惑の女神像[大東遺跡編]
めーちゃんが驚くべきことを口にした。
「この部屋の女神像の前で『君が代』を歌うと、一気に最深部まで行けるんだ!」
「なんだそれ!?」と俺は目を丸くした。すぐにでも歌いたい気分だったけど、姉が割って入った。
「そんなの面白くないでしょ! 地道に攻略してこそ、遺跡を制覇したって達成感があるわよ!」
そりゃそうだ。確かにその通りなんだけど、正直、俺は早く最深部に行きたかった。
実は…そろそろ腹が減ってきたんだ。すると、次の瞬間、グーっと俺のお腹が盛大に鳴ってしまった。
その音を聞きつけたアズリナ、ルビルナ、メドルナが一斉に「私に任せて!」と言い出した。どういうことだ? 魔法で食べ物でも出すのか…?
だが、次の瞬間、3人がコップに唾液を入れ始めた。
「な、なんなんだこれは!?」と、思わず叫んでしまった。
ルビルナがニヤリと笑って言う。
「この唾液を飲めば、腹が膨れるわよ」
アズルナもニコニコしながら続ける。
「だまされたと思って飲んでみてください!」
まぁ、美人三姉妹の唾液なら…悪くない、か? 恐る恐る飲んでみると、なんと、お腹が本当に満腹になった! なんなんだこれは…! 『ドラゴ〇ボール』の仙豆の唾液バージョンかよ! 魔族の考えることはマジでわからん…。
一方、他のみんなには、普通に魔法でパンや果物を出してた。いやいや、俺もそっちが良かったよー! と、心の中で山に向かって叫びたかった。
こうして、俺たちは遺跡の中で食事(俺だけ唾液だったけど)を済ませ、次の階層へと進むことにした。
次の階層、41階に到着。すると、またしてもめーちゃんがいた階層のような女神像がずらりと並んでいた。女神像の間を歩こうとした瞬間、案の定、像が動き出した。だが、今回は様子が違う。石像にひびが入り、中から生身の人間…いや、人間のような存在が現れた! 5人が女性、5人が男性だった。
女性たちの姿は、どれも強烈だった。1人目は小柄で、黒髪ロング、タヌキ目、声が高め。紫のベビードールに黒レースの下着を着ていて、透けた生地が妙に目を引く。2人目は小柄で黒髪ミディアム、タヌキ目、動きに色気のある軽やかなドレス。3人目は高身長で黒髪ロング、タヌキ目、黒のスリップドレスにレースのブラとパンティー。胸元がレースで飾られ、めっちゃセクシーだ。4人目は高身長、茶髪ロング、キツネ目、布がクロスした大胆なドレス。エジプト風の雰囲気で、どこか神聖なのに色っぽい。5人目は高身長、黒髪ミディアム、キツネ目、黒レースのコルセットとガーターベルトにストッキング。黒で統一された姿が、めっちゃ大人っぽい。
こんな女性たちを前に、俺は鼻血が出そうになり、気分が高揚してしまった。男性像については、まあ…割愛する。
どの女性も魅力的で、つい妄想にふけってると、めーちゃんが鋭く叫んだ。
「こいつらの罠にハマると、遺跡の入り口に戻されちまうぞ! 我慢しろ、ヴェス!」
だが、次の瞬間、5人の女性が俺をじーっと見つめ、誘惑するように微笑んできた。そっか、男は俺だけなのか…。
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