このことだけは絶対に許せない‼︎

黒ネコ抹茶

前編

「ユーリ様、わたくしとの婚約を破棄してください」


「はぁっ...⁉︎」




わたくしは、伯爵家長女のレナリア・リフォンですわ。わたくしには、ユーリ様という侯爵家嫡男の婚約者がいる。サラサラの黒い髪は腰まであり一本に結ばれ、元々整った顔立ちを金色の瞳が更に彼を輝かせ、剣の才にも恵まれているおかげで程よい筋肉もついている。まさに最高の婚約者だろう。しかし、彼は私に対してとても冷たい。あれはそう、昔のお茶会の時...



「ユーリ様、今日はお茶会お越しくださりありがとうございます」


わたくしが、とびっきりの令嬢スマイルでユーリ様に挨拶した。


「...... 」


「こ、今回の茶葉は南の国のものでしてわたくし自ら庭園で育てたのですが、きっとユーリ様のお口に合うかと...」


「っ....」


ユーリ様は、紅茶を一気に飲み席を立って何も言わずにすぐ帰ってしまった。


このように、わたくしとユーリ様はあまり中がよろしくない。


そして、彼はかなりの女好きで一度遊んだらまた次の女性とこのように取っ替え引っ替えして遊んでいる。例えば、この前...


「ねぇー、ユーリ様近くにできた新しいカフェ一緒に行きません?」


「あぁ!、ずるいユーリ様私と街に行きましょう‼︎」


「あら、お二人ともユーリ様は私と先に約束してましてよ‼︎」


「ははは、では皆で街へ行こう‼︎」





「はぁ、バカらしいッ」


こんな性格のユーリ様でも顔は最高にいいし、権力もあり、猫被りも上手いため「一度でもいいからお付き合いしたい」という女性が、平民から高位貴族までいる。まぁ、さすがのユーリ様でもいかがわしい関係にならないように調整しているようです。


今もわたくしは、学園の窓からユーリ様を取り合っている令嬢たちを高みの見物をしている。


「ユーリ様ってやっぱりかっこいいですよねー‼︎」


隣にいるフワッとしたピンク髪に大きな赤い瞳をしているこの子は子爵家長女のリリア・カーシナわたくしの友人だ。家ではあまり家族と会話することが少なく、婚約者のユーリ様は先程のように冷たいですが、リリアはとても明るくかわいいわたくしの唯一の癒しだ。


「確かにユーリ様はお美しいわね...」


まぁ顔だけは美しいわよね。


「えー、じゃあレナリア様の好きなタイプってユーリ様みたいなひとですか⁉︎」


わたくしとユーリ様の婚約は学園では知られていない。まぁ、お互い公表していないのが原因だけど。


「まぁ、そうかもね...」


「へぇーー‼︎」


あっまたご令嬢が増えた。












その1週間後の放課後、わたくしはリリアさんから相談があると誘われてカフェへ行った。


「それで、リリアさん相談とは何?」


「ユーリ様を、知っていますよね...」


「ええ、存じています」


そういうとリリアさんは泣きだしてしまった。⁉︎


「リ、リリアさん⁉︎とりあえずこのハンカチを使って...」


「ず、ずビバじぇん...」


「こんなに大泣きして本当にどうしたの?」


「実は、わだしっユーリ様に告白しで、お付ぎ合いしたんですっ」


え、嫌な予感がする。


「そじって、付き合って3日たってから突然っ、お前えあぎだがらもういひゃないっでびゅわれたんですーーーー‼︎」


はぁ⁉︎、リリアさんをただ飽きただけで泣かせた。わたくし達の婚約は、政略的なものでありユーリ様が別にどこで愛人を作ろうが、恋人を作ろうがどうでもよかった。だけどわたくしの友達を傷つけられることだけは許さない‼︎。


そこから、わたくしはリリアさんが泣き止むまでそばにいた。だんだん泣き止んできたリリアさんとケーキを食べて解散した。






そして、次の日私はあまりの怒りで狂いそうだった。そう、ユーリ様とのお茶会の日だ。


「....」


今日も何も話さない気なのね。やっぱり、この判断がお互いにいいのかもしれませんね。



「....」


「ユーリ様、わたくしとの婚約を破棄してください」



「はぁっ⁉︎」









ユーリ視点



私には最高の婚約者がいる。伯爵家長女レナリア・リフォン嬢だ。ハチミツの様にキラキラひかるプラチナブロンドの髪は腰まであり、大きく溢れ落ちそうな青い瞳がこちらを見るたびに愛らしさが爆発する。その上、成績優秀、周りとのコミュニケーションも完璧にこなし、優雅で気品があり、体を動かすことが苦手だが守りたくなる愛らしさが増えるからプラマイゼロだ‼︎。


そんな完璧な婚約者から今....。


「ユーリ様、わたくしとの婚約を破棄してください」


「はぁっ⁉︎」


こちらをまっすぐ見るレナリア嬢尊...じゃなくて私の最愛の婚約者に婚約破棄を告げられている。


原因はなんだ⁉︎。レナリア嬢が愛らしすぎてニヤニヤしない様に真顔で何も言わずにいたこか⁉︎、それともレナリア嬢に嫉妬してほしくて女遊びしていたことか⁉︎、もしくは昔の茶会でレナリア嬢手作りの紅茶を一気飲みして野蛮と思われたのか⁉︎。やばい、心あたりがありすぎる。




「お前はアホか?」


「ははははっーー‼︎、ついに告げられちゃったかー‼︎」


私をアホと言ったのは、公爵家嫡男グルア・フィッシェー。そして品のない笑い声をあげているのが我が国の王太子アルベルト・グランシス。この二人は私と幼い頃からの腐れ縁だ。


「笑い事ではないっ⁉︎。愛しい女神に婚約破棄されそうなんだぞ⁉︎どうにか考え直して貰わないと⁉︎」


「だったらまず、レナリア嬢の名前くらい呼べ」


「ぐっ、とっというかグルア‼︎私の女神の名をお前が呼ぶな‼︎」


「あはっ‼︎、面白いやっ4年間頭を下げたり、貢いだり、ライバルの貴族の弱みを渡すほど頼み込んだ令嬢に婚約を破棄されそうなんて‼︎」


「とにかくお前らには、我が愛しい女神と仲睦まじくなれるように協力してもらう。拒否したら私はこの国にクーデターを起こす‼︎」


「待て待てっ、笑うのやめるから‼︎。お前にクーデター起こされたら国が無事じゃ済まなくなる‼︎」


「そこまでの行動力があって、なんで婚約者の前では固まるんだか...」


「好きに言え。私は、婚約が決まった7歳の頃から我が愛しい女神のウェディングドレスを仕立てさせているんだ。それくらい私はレナリア嬢を愛している‼︎」



    ((いや、流石にそれはキモイ...))

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このことだけは絶対に許せない‼︎ 黒ネコ抹茶 @Amaka0594

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