みーちゃんのキャラメル
うたたね
みーちゃんのキャラメル
前みたいなおやつの時間 お腹空いた だから食べた
赤い缶にはキャラメル二十個 小さな手には大きくて
からころ、ころん
「ママ、パパ、キャラメルおいしい」
「そうだね、みーちゃん」
「甘くて美味しいね」
家族みんな 一緒に食べた
赤い缶にはキャラメル十七個 あたたかい、幸せな味
もうずっと遊べていない つまんない だから食べた
赤い缶にはキャラメル十七個 小さな手には大きくて
ころん、もぐもぐ
「みーちゃん、食べ過ぎるとご飯が入らなくなるよ」
「食べられるよ、パパ」
「本当かなあ~?」
ひとりきり 内緒で食べた
赤い缶にはキャラメル十五個 変にお腹がいっぱいだ
パパもママも妹とお昼寝 少し寂しい だから食べた
赤い缶にはキャラメル十五個 小さな手には大きくて
ころん、もぐもぐもぐ もぐもぐ、ころ
「みーちゃん、ひとつ頂戴」
「どうぞ、ママ」
「ありがとう」
嘘をついて いっぱい食べた
赤い缶にはキャラメル十個 甘くて舌がちょっと痛い
少しの揺れが一日何回も 怖くなった だから食べた
赤い缶にはキャラメル十個 小さな手には大きいけど
ころん、ころん、もぐもぐもぐ ころん、もぐもぐもぐ もぐもぐ、ころん
「みーちゃん、ひとりでこんなに食べたの」
「今は物が足りないから、ちょっとずつって言ったでしょ」
「……ごめんなさい」
気づいたら たくさん食べてた
赤い缶にはキャラメル三個 もう缶の底が見えていた
あの日から十四年経った 思い出そう だから食べる
黄色の箱にキャラメル十二個 大きくなった手には小さくて
ころん、もぐ
「ストレスがたまると甘いもの食べたくなるって言うし」
パパもママも不安そうで、妹もまだ赤ちゃんで
友達や先生ともしばらくの間会えなかったから
「すごく不安で寂しかったんだよね、十四年前の私はさ」
包み紙を剥がす 今日は二個でおしまい
残りの十個と、手をつけていない箱はちゃんとしまっておこう
いつかの『みーちゃん』が、たくさん食べてしまってもいいように ね
みーちゃんのキャラメル うたたね @czmz
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