第31話 氷蜥蜴との激闘と新スキル
氷蜥蜴は再び鋭い爪を振り下ろす。
その瞬間、床の氷がきしみ、細かくひび割れて飛び散る。足を滑らせれば下の深い裂け目に転落する危険がある。
「ユキ、左斜め前!」
俺は叫びながら、自分も氷の床に体重を分散させつつ距離を取る。
ユキはすぐに反応した。氷牙結界を瞬時に展開し、尾の衝撃を跳ね返す。結界の氷粒子が周囲の氷柱に反射し、攻撃力を弱める役目も果たしていた。
氷蜥蜴は氷柱を蹴飛ばし、飛び散った氷片で間合いを詰める。
ユキは滑る床の上で瞬時に踏ん張り、氷柱の間を縫うようにして回避。ひび割れた氷床に爪を立て、バランスを保ちながら攻撃のチャンスをうかがう。
「……よし、今だ!」
ユキが構え、冷気を凝縮する。氷結した爪が一瞬にして鋭く光り、氷蜥蜴の側面に突き刺さった。
氷迅爪(進化形)――極限環境で発動したこのスキルは、防御と攻撃を同時に兼ね備えていた。
氷蜥蜴は咆哮し、反撃の尾を振り回す。
しかし氷床のひび割れを見極めたユキは、わずかに跳び上がり、尾の直撃を回避。尾が床に叩きつけられ、氷片が四方に飛び散る。
「滑る床も、裂け目も、利用できる」
ユキは冷静に判断し、敵の攻撃方向にわざと氷のひび割れを作る。
氷蜥蜴はそれに気づかず、一歩踏み外してバランスを崩した瞬間――氷迅爪の連撃が炸裂する。
冷気の衝撃で敵の動きは鈍り、裂け目に追い詰められる。氷柱の間で回転しながら攻撃するユキの姿は、氷の精霊のように美しくも危険だった。
「……くっ、やっぱり極限環境でも、ユキは強いな」
俺は息を整え、次のサポートのタイミングを見極める。
最後の一撃――ユキの氷迅爪が氷蜥蜴の胴体を貫く。
氷蜥蜴は咆哮とともにひざまずき、氷の床に力尽きるように倒れた。
深く息を吐き、ユキは氷の結界を解く。冷気がゆっくりと消え、25階層に静寂が戻る。
「……勝ったね」
俺はユキに微笑む。
ユキも小さく頷き、わずかに息を整えた。
氷の迷路での激闘は、俺たちに環境を味方にする戦い方と、ユキの新スキルの可能性を教えてくれた。
25階層――まだ序章に過ぎない。
だが、この勝利は、俺たちがさらに深い階層へ進むための確かな一歩だった。
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