第29話 梅田ダンジョン24階層 異常なモンスター出現!
23階層を突破した俺たちは、休憩を挟まずそのまま24階層へと足を踏み入れた。
だが――すぐに異変に気づいた。
「……様子が違う」
ユキが小さくつぶやいた。
確かに、これまでの階層とは空気が違う。ひんやりとした冷気に満ち、視界もやや白く霞んでいる。
そして、奥から足音が響く。
ずしん、ずしん、と地面を揺らすそれは、明らかに今までのモンスターとは規格が違った。
「来る……!」
俺たちの前に姿を現したのは――
【氷牙のベヒモス】
巨大な四つ足の獣で、身体は氷の鎧に覆われ、口からは冷気を漏らしている。
それは、通常なら28階層以降に現れるレアモンスターだった。
「なんで、こんなところに……!」
俺は呆然としつつも、すぐに構えを取る。
ユキも、鋭く冷たい空気を纏い、戦闘態勢に入った。
「アマト、あれは危ない……でも、勝つ」
クールな声で告げるユキ。
その目には、確かな自信が宿っていた。
「――行こう!」
俺の号令とともに、ユキが疾走する。
氷迅爪が唸りを上げ、氷牙のベヒモスに切りかかった。
ベヒモスは巨体を揺らして反撃してくるが、ユキのスピードには追いつけない。
「いいぞ、ユキ!」
だが、氷牙のベヒモスもただの巨体ではなかった。
怒りに咆哮すると、周囲に氷の棘を撒き散らしてきたのだ。
「下がれ、ユキ!」
俺の叫びと同時に、ユキが後方へ飛び退き、間一髪で直撃を避ける。
――だが、チャンスだった。
ベヒモスの動きが一瞬、隙を晒す。
「今だ、ユキ!」
「氷迅爪・連撃(れんげき)!」
ユキが繰り出したのは、氷迅爪をさらに連続で叩き込む新たな技だった。
凍結しながら次々と叩き込まれる斬撃に、氷牙のベヒモスの動きが鈍る。
そして――
ドォン!!
氷牙のベヒモスは、凍りつきながら砕け散った。
俺たちは、24階層の異常モンスターを打ち倒したのだった。
「……勝った、ね」
ユキが肩を上下させながらも、静かに微笑んだ。
「ああ、すごかったよ、ユキ!」
俺は心からユキを讃えた。
そして、氷牙のベヒモスが消えた跡に、ぽつんと光るアイテムが残されていた。
【スキル書:氷牙結界】
強力な防御スキルだ。これでさらに、ユキの力を底上げできる!
「よし、次は25階層……!」
俺たちはさらなる深みへ、歩みを進める準備を整えるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます